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けんいちブログ

小泉政権誕生によせて

2001.04.26

「小泉政権誕生によせて」

◆大方の予想を裏切っての小泉総裁の誕生。その大きな意義とは。
小泉純一郎氏が首相に選出された。「永田町の変人」とみられていた小泉氏が自民党総裁になり、内閣総理大臣に選ばれることを一か月前に予想した人がどれほどいただろうか。それだけこの総裁選の結果は意外であり、また画期的なものだったと思う。

その中でも一番意義深いのが、小泉氏が事実上、党員投票の力で当選したという点である。今回の総裁選では各都道府県連に三票ずつが割り当てられ、この三票はその地域の党員票の帰趨によって、投じられた。党員票が雪崩をうって小泉氏に向かったことによって、国会議員票では劣勢だった小泉氏が大逆転を果たしたのである。  従来、自民党の総裁は党内派閥の駆け引きによって決まってきた。つまりは永田町という狭い枠の中での権力闘争に優れた者が勝利をおさめていたのである。そして実態としては最大派閥の意向が勝敗を左右してきた。しかし今回は違った。もはやただ単に永田町での駆け引きに優れているというだけでは通用しないことが明らかになった。

党員や国民に直接訴えかける能力が必要になったのである。本来,政治家は国民、有権者に対して自らの信念を訴え、支持を求めるべきものである。政治家の目線の先には国民がいなければならない。こうした当然の事がこれまでともすれば忘れられがちだったことに慄然とせざるをえない。

小泉氏は政策面でも注目すべき提言をしていた。その際たるものは首相公選制だと思う。「市長を市民が直接選び、知事を県民が直接選ぶように、首相も国民が直接選んで何がおかしい」という主張はまったく正論である。もちろん首相公選を行なった場合にも必ずしも最適任者が選ばれるとは限らない。しかしそれを言い出せば、国会で選出された首相が本当にその職にふさわしい人物ばかりだったのだろうか。 どのような制度でも一長一短はある。私は首相公選によって今まで以上に国民が政治に直接参加し、今まで以上に責任も負うという形こそ21世紀の日本の政治形態にふさわしいと考えている。同時に首相公選は国民の大多数が賛成している。こうした国民の普通の感覚に応えられる首相が誕生したことを歓迎したい。凡庸な総理大臣は困るが、国民と感覚を共有できる総理は必要なのである。

今回の総裁選では経済問題が最大の争点になった。景気回復か構造改革かという点ばかりに焦点があたった。それだけ日本経済の現状が深刻だともいえる。しかし日本が直面している問題はそれだけではない。外交、環境、教育など難問は山積している。これら多くの問題に対し小泉新首相がどれだけの手腕を発揮するか冷静に見つめながらも改革の志には熱い応援をしていきたいと思っている。

◆水野賢一のひとりごと
小泉内閣は史上最高の支持率を記録しました。自民党本部に行くと、一階の売店の前に小泉さんのポスターを買いにきた人が列をなしているのだからびっくりです。森内閣の時はもちろん、今までこんなことは考えられません。

人気の大きな理由は、小泉さんが改革への熱意を自分の言葉で語っていることでしょう。棒読みではない異例の答弁スタイルに本会議場も沸きました。でもこれこそ本来の国会審議なんですけどね(こうした答弁をしているとかなり疲れるだろうなと心配にはなるけど)。
もちろん人気は低いよりも高い方がいいに決まっています。しかし人気ほど移ろいやすいものもありません。小泉総理には支持率に一喜一憂しないで本当の改革を進めてほしいと期待してます。
(この◆水野賢一のひとりごとは2001年6月1日に記す)

エネルギー基本法について

2001.04.14

「エネルギー基本法について」

◆エネルギーと環境の調和。この両立を目指す水野賢一の働き。
自民党内で「エネルギー政策基本法」という法案が審議されている。エネルギーの安定供給を確保し、環境にも適合した包括的なエネルギー政策を進めるという狙いである。今回はこのエネルギー基本法の討議の過程を振り返ってみたい。

エネルギーは文明社会にとって不可欠のものである。我々の生活と切っても切り離せないものでもある。教育に教育基本法があり、観光に観光基本法があり、土地に土地基本法があるようにエネルギー基本法があっても不思議はない。私もこうした体系的な法律を制定することにはいささかの異存もない。

しかしこの法案の検討過程においては、いささか見過ごせない問題点が存在した。まず第一は企業に甘い点である。法案要網をみるとエネルギー使用にあたって環境に配慮することなどの「国の責任」が謳われている。確かに国には大きな責任があるはずである。だからこれが盛り込まれるのは当然だろう。「地方の責任」も謳われいる。これもまあよい。ところが「企業」については「責任」ではなく「企業の役割」に後退していたのである。もっと細かくいえば、もともとの原案では「企業の責任」だったものがいつの間にか「企業の役割」に変貌してしまっていたのである。それだけ自民党内には企業に負担や責任を負わせることを嫌がる勢力があるということだろう。
第二の問題点は少し細かくなるがこれも重要なことである。この法案では環境保全について言及しているが、ここでいう「環境」がいわゆる地球温暖化問題に限定されていたのだ。温暖化を防止することの重要性はいうまでもない。しかしこの法案はこれを強調するあまり他の環境問題の視点が欠落していた。他の環境問題とはなにか。例えば大気汚染である。デイーゼル車による大気汚染は密接にエネルギーと関わっているが、この法案ではこうした部分への配慮が十分とはいえななかった。

そこで私はこの法案審議の過程で意見書を提出した。以上ニ点についての意見である。つまり、「企業の責任」を明記すること、大気汚染など地域に密着した環境問題も明記すること、という内容である。その結果、幸いにして私の主張通りこれらの文言は法案に盛り込まれることになった。法案審議の過程でいささかなりとも環境への配慮に貢献できたのではないかと、多少の満足感を覚えている。

◆水野賢一のひとりごと
私の意見を取り入れてくださった方々ありがとうございます。まだまだ自民党も捨てたものではありません。さて反原発派の人々はこの法案を「原発押しつけ法」だと批判していますが、それはちょっと極論じゃないのかなあ。むしろ私が主張した修正が受け入れられたことで素晴らしい法案になったように思うんですけど(自賛しすぎかな)。私はなにも積極的な原発推進論者でも廃止論者でもないけど、この法案を「原発押しつけ法」だと批判するのはかなりの無理があるような気がしますけどねえ。

原発のことはさておき、今後のエネルギー源として太陽光や風力などの自然エネルギーを推進しなければいけないというのは大賛成。燃料電池にも大いに期待しています。 ちなみにこの法案は党内議論はだいたい終わったけどまだ国会に提出されていません。日程上の理由などいろいろあるのかな?
(この◆水野賢一のひとりごとは2001年5月27日に記す)

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