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  • 月別アーカイブ: 2003年10月

けんいちブログ

印旛沼の水質改善のために新たなる 態勢づくりを

2003.10.01

どうする印旛沼。汚濁度は全国ワースト3位!

「印旛沼の水質改善のために新たなる 態勢づくりを」
~緊急インタビュー 「自然再生推進法」の活用がカギ。~

千葉県の水がめともいうべき印旛沼。その水は水道に供給されて飲料用に使われている。だが沼の水質は全国最悪レベルという危機的な状況だ。環境問題に熱心に取り組む衆議院議員・水野けんいちが印旛沼の浄化について語る。

Q1 印旛沼の水質は全国の湖沼でワースト三位だそうですが。

水野:湖沼の汚濁は一般にCODという値を使って表わします。数値が大きいほど汚れているわけですが、印旛沼はCODが悪い方から三番目です。しかも飲料水として利用されている湖沼に限るとワースト一位になっています。飲み水の原水が汚れていることこそ最大の問題です。

Q2 印旛沼の水を飲んでいるのはどの地域ですか。

水野:印旛沼の水はまず千葉市花見川区にある柏井浄水場に送られます。ここで利根川からの水とブレンドされて各地に送られます。具体的には千葉市、佐倉市、四街道市、八街市、富里市、酒々井町、船橋市、浦安市などです。例えば佐倉市の水道はさらに地下水も混ぜるので地下水65%、柏井浄水場からの水が35%くらいになります。

Q3 浄水場できれいにするわけですから元の水が汚れていても大丈夫ではないのですか。

水野:もちろん水道水になった時には水質基準は満たしています。しかし浄水技術というのは魔法ではありません。元の水が汚れていれば浄化に限界もあります。例えば発ガン物質のトリハロメタンが生成しやすくなります。また浄水の時にオゾン処理などの高度処理が必要になるので、それだけ費用もかかるといえます。

Q4 印旛沼の水環境を改善するためには何が必要ですか。

水野:汚染の大きな原因は生活排水です。そこで下水道や合併浄化槽の普及、さらには市民の意識向上が必要でしょう。沼の底に溜まったヘドロの除去も検討すべきです。さらに雨が道路・市街地を洗い流して、その汚れが沼に入っているという面もあります。雨水が沼に一気に流れ込まないような工夫も考えるべきでしょう。水質浄化には特効薬はありません。様々な対策を地道に行なわなければなりません。まず必要なのはそうした施策を推進するための態勢作りです。

Q5 水野さんはこれまでの行政の態勢では不十分だと批判的ですが。

水野:印旛沼を管理しているのは千葉県ですが、県は水質浄化のために「印旛沼水質保全協議会」という組織を作っています。ところがこの組織がやっていることといえば小中学生からポスターや標語を募集している程度です。まあこれも啓発活動には違いありませんが、やはりもっと直接浄化に役立つことも実行すべきだと思います。

Q6 では、水質改善のためにはどのような態勢作りが求められていますか。

水野:一つのカギは昨年成立した自然再生推進法を生かすことでしょう。この法律では自然を再生するために国・地方自治体・学識経験者・NPOなどが対等の立場で参加する協議会を作り、必要な施策を考えていくことになっています。こうした協議会はすでに荒川(埼玉県)や釧路湿原(北海道)で結成されています。行政による上からの押しつけではなく、幅広い意見を取り込むためにもこうした協議会の設置が求められています。

Q7 国も印旛沼の浄化のために協力すべきですね。

水野:湖沼水質保全特別措置法という法律に基づいて水質改善が特に必要な湖沼を国が指定しています。全国で10の湖沼が指定されていますが印旛沼もその一つです。指定したからには国も責任を持って十分な措置を講ずるべきです。私も国を動かすために全力を尽くしていきます。

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