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けんいちブログ

安保法制の致命的な欠陥~政府も認めた以上、法案は撤回・出直しを~

2015年07月29日

◆国外犯処罰規定の新設

現在参議院で審議中の安保法制の中では自衛隊法を改正して国外犯処罰規定を新設することにしている。この規定を設けることについては私も一定の評価をしている。それどころかこうした規定を作るべきだと主張してきたのはこの私である。

自衛隊員であっても犯罪を起こす可能性はある。当然、海外派遣中に犯罪をおかす可能性もあるのである。海外でおかした犯罪は不問に付すというわけにはいかない。それだけに、これまでのように自衛隊が海外に派遣されているにもかかわらず国外犯処罰規定がなかったことの方がおかしかったといえる(自衛隊法が制定された頃は海外派遣などは想定していなかったため国外犯処罰規定が無かったと考えられる)。

◆不当な武器使用がなぜ裁かれないのか

ところが今回新設の国外犯処罰の条項には決定的に重要なものが抜け落ちている。自衛隊法の罰則には「武器の不当使用」(118条1項4号)の規定がある。そのため国内で「武器の不当使用」をすれば当然罰則がかかってくる。ところが新設の国外犯処罰の規定からこの部分はすっぽりと抜け落ちている。その結果、海外で武器を不当に使用しても、罰則はまったくかかってこないのだ。

自衛隊の武器使用というのは細心の注意を払うべき問題である。だからこそ「こういう場合には武器が使用できる」、「こういう場合は正当防衛や緊急避難の時だけ使用できる」といった規定が細かく定められている。しかしどんなに規定をきちんと定めてもこれでは無駄と言わざるを得ない。その規定を破ったとしても何の罰則もないのだから。

◆仏作って魂入れず

では政府は自衛隊法に国外犯処罰規定を新設していったい何を罰しようとしているのか。法案をよく読むと自衛隊員が海外でストライキやサボタージュをした時に処罰するといった話が出てくる。他にも睡眠や酩酊で職務を怠った者なども刑事罰の対象にしている。確かにそうした自衛官は処罰の対象にすべきだろう。そのことには私も異存はない。

しかしこの問題の本質は、海外(国内でも当然だが)で自衛隊が勝手に部隊を動かしたり、勝手に武器を使用するようなことは絶対に許さないということにあるはずである。こうした勝手な行動を容認してしまえば満州事変のような戦前の軍の暴走につながりかねないからである。この一番肝心な部分に触れないまま国外犯処罰規定だけを新設しても「仏作って魂入れず」と言わざるを得ない(部隊の不法指揮は国外犯の対象になっている。これは一定の評価はできるが罰則が軽すぎるという問題は残っている)。

◆欠陥があるなら法案撤回を

本日(7月29日)の委員会質疑でこの問題について安倍総理、中谷防衛大臣に質問をした。二人とも「確かにこれは問題がある」とは思ったのだろう。それはそうだろう。海外派遣中の自衛隊が勝手に発砲しても、命令以外の武器を使用しても罰則は何もかかってこないという法案に対しては問題だと思う方が常識である。

そこで二人ともこの課題は別途考えていく、別途対策を講じるという趣旨の答弁をした。「別途」というのは現在審議中の安保法制とは「別途」ということである。分かりやすく言えば、水野賢一の指摘は確かにもっともな指摘なので対応策は取らなくてはいけないが、それは安保法制の成立後に追い追い実施するということである。

しかしそんな逃げ口上は許されない。総理や担当大臣が「別途」対策を講じる必要があると認めたということは法案には欠陥があるということである。それならば欠陥法案は撤回すべきである。そしてどうしても国会審議をしたいというならば欠陥や不備を直してから国会に出直すのが筋ではないだろうか。

 

安保法制の大欠陥を今日、委員会で追及へ

2015年07月29日

 本日14時40分頃から特別委員会で安倍総理らに安保法制の質疑をする。今までの審議で議論されていない点もいくつか取り上げる。

 法案が成立すればPKOや邦人救出などで自衛隊の海外活動の幅が広がることになる。そして、その時の武器使用権限についても定めている。ところが驚くなかれ、自衛隊がこれに違反して武器を使用しても罰則は何もないのだ。これでは政府がいくら「武器の使用は正当防衛や緊急避難だけです」とか説明しても何の意味もない。なぜならば違反した時の罰則がないのだから。

 もう少し専門的な言い方をすれば、今回の法改正で自衛隊法にも一応、国外犯処罰規定が盛り込まれる。しかしなぜか武器の不当使用にはこの国外犯処罰規定が適用されないことになっている。

 極論すれば海外の自衛隊が勝手に発砲しようが、命令以外の武器を使用しようが、罰則は何もない。こんな大穴を残したまま自衛隊の海外派遣を拡大していく法案などには絶対反対だ。

質疑では厳しく追及していく。

一票の格差をめぐる小手先の改革

2015年07月24日

 

 参議院の選挙制度のいわゆる「10増10減」案が本日の本会議で自民党や中小4野党の賛成多数によって可決された。国民は皆、法の下に平等である以上、あくまでも「一人一票」の大原則を目指すべきであり、この程度の改革案は小手先の弥縫策にすぎないと私は思っている。自民党はこれにより一票の格差は2倍台にまで改善されたと主張するが、正しくは2.97倍であり、しかも来年の選挙時には3倍超えは確実視されているのだから、それを「2倍台」と主張するのは強弁以外の何物でもない。

 だからこそ私たち無所属クラブは民主党、公明党、生活の党と共同して、より抜本的な改革案を国会に提出していたのだが、残念ながらこちらは採決に至らなかった(自民党などの案が先に採決され可決されたため、一事不再議の原則によって他の改革案は採決されなかった。もし自民党などの案が否決されていれば、次は私たちの案が採決されることになっていた)。

 さすがに自民党なども約3倍の格差を正当化するのは難しいと思っているらしく、このように言っている。「参院選がもう来年に迫っているので、今回はとりあえず2倍台にまで格差を抑えて(といっても選挙時には3倍を超える見込みなのだが)、その次の2019年参院選からは抜本改革して臨もう」という主張だ。一見もっともらしいが、このような「次回はちゃんとやるから今回はとりあえずの手直しだけで止める」という約束などは守られた例がない。現に3年前にも「とりあえず今回は4増4減だけやりましょう。次の2016年の選挙からは抜本改革をしましょう」という約束を各党間で交わしているのだ。しかもそれは口約束ではなく法律の附則にまで盛り込んだのである。それでこの結果なのだから「2019年からは」などという約束が守られる保証などどこにもない。

 それだけに今回一気に抜本改革を進めるべきだったのだが・・。残念なことである。こうした小手先だけの弥縫案が可決されてしまった本日の本会議で、あらためて一強多弱の政治状況を打破しなくてはと思った。

台湾は集団的自衛権の対象になるのか~政府の答弁書について~

2015年07月22日

 国会の審議というのは本会議や委員会での論戦だけではない。文書によって政府に対し質問する質問主意書という制度もある。私は7月10日に集団的自衛権に関して質問主意書を提出した。政府提出法案では“我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生”して武力行使の新3要件が満たされれば集団的自衛権の行使も可能としている。しかし「密接な関係にある他国」とはどの国かは具体的に明示していない。政府によれば、米国に限っているわけではないとも説明している。そこで私は質問主意書を使って、密接な関係にある「他国」というのは国交を結んでいる国に限られるのかという質問をした。より具体的に言えば、国交こそ無いが密接な関係にある台湾などは含まれるのかという趣旨の質問である。

この質問主意書への政府の答弁書が昨日来た。これによると「我が国が外交関係を有していない国も含まれ得る」としている。そのことが下記の記事になっている。

時事通信社 「国交なくても自衛権行使=政府答弁書」

ところでこの政府の答弁書だが、本質的なところで回答を逃げている。つまり台湾はどうなのだという私の質問には直接答えていない。答弁書は“我が国が外交関係を有していない国も含まれ得るが”の後に次のように続けている。“お尋ねの「国とみなされている地域」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。”

私の質問は文書で明確に“国交はないが実態として国とみなされている地域(例えば台湾やパレスチナ自治政府)を含むのか”と台湾などを具体的に例示しながら聞いているのだから、意味するところは明らかなのである。それを“意味するところが必ずしも明らかではない”などというのは逃げ口上以外の何物でもない。対中関係も微妙な中で、余計なことは答えたくないという気持ちは分かるが、重要な問題を曖昧にしたまま言を左右にすることは許されない。

安全保障法制については議論が尽くされていない点が他にもたくさんある。来週にも始まると見込まれる参議院での質疑で政府提出法案の問題点や弱点を厳しく追及していきたい。

安保法案の参院論戦を前にして

2015年07月17日

 昨日、安保関連法案が衆議院を通過した。政府案では改正する法律は自衛隊法や周辺事態法など10本に上っている(他に1本の新法制定がある)。では10本の改正にそれぞれ賛成・反対を投じるために10回採決をしたのかというと、実は採決は1回で終わっている(他に維新の党の対案の採決はあったが)。なぜかというと1本の法案によって10本の法律をまとめて改正する“束ね法案”という形を取っているからだ。

これだと「A法、C法、D法、F法の改正は絶対反対、一方でB法とE法の改正には賛成できる、G法の改正は判断材料が不足しているので棄権したい」というような投票行動ができなくなる。束ねられている以上、A法からJ法まで一括して賛成か反対か棄権の選択肢しかないことになる。丁寧な議論が必要な安全保障の問題で、こうした乱暴なやり方をしてはいけない。

 報道を見ていると「衆議院で116時間も審議した割には議論が深まっていない」という論調が多いが、その背景にはこのような政府の法案の提出の仕方もあると思う。これだとどうしても細部にわたった丁寧な議論がしにくくなる。その結果、違憲か合憲かといった入り口の議論に終始してしまった感がある。だが実際には10本もの法律を改正するのだから、詳細に内容を見るとPKOの話、在外邦人の保護、米軍以外への支援など様々な内容が盛り込まれている。中にはほとんど議論が煮詰まっていないものも多い。それだけに今後、始まると見込まれる参議院での審議では、私自身もできる限り細部にも気を配った質疑・追及をしていきたいと思っている(別にあら探しをするつもりはないが、見過ごされてきた論点が将来、大問題となる可能性は十分あるので)。

 なお私としては今回の法案の中には、理解できる部分もあれば、あくまでも反対だという部分もある。もちろん審議の中で政府答弁を聞きながら考えていきたいという部分もある。評価できる部分を挙げれば、例えば私が以前から予算委員会などで指摘し、ブログにも書いた「海外で犯罪を犯した自衛隊員にはなぜ自衛隊法の罰則が適用されないのか」という問題に改善が見られている点である。改正案では自衛隊法にも国外犯処罰規定が新設している(それでも罰則が軽すぎるという問題はあるのだが)。

しかし前述した通り、“束ね法案”である以上、残念ながら“ここは賛成だが、ここは反対”という意思表示はできなくなっている。総体として、賛成か反対かを意思表示せざるをえない。そうである以上、採決時には反対票を投じるということも決めている。来たるべき参議院審議の中では、その理由や根拠なども示しながら、問題点を具体的に指摘して論戦を行っていきたい。

千葉市の指定廃棄物処分場:何のための調査なのか?

2015年07月09日

千葉市中央区の東京電力用地に国が指定廃棄物(8千ベクレル超)の埋設場所を建設しようとしている問題。本日、参議院環境委員会で「今からこの土地について詳細調査をするのであれば、調査の結果、この場所は適地ではないという結果が出ることもありえるのか」と質問。環境省の担当部長は「詳細調査で地質や地盤構造をしっかりと把握して必要ならば地盤改良や杭打ちなどの対策を講じる」という趣旨の答弁。つまり調査の結果がどうあれ、ここに建設するということではないか。

本来、詳細調査というのは外見だけでは分からない地質構造をボーリングなどでしっかりと見極めるということではないのか。だからこそ普通は候補地を複数選定して、その上で詳細調査をして、最善・最適の場所に絞り込んでいくというやり方が筋だと思う。

ところが国のやり方は最初から適地の候補を1か所(それが千葉市中央区の東電敷地なのだが)だけ提示して、調査の結果、不具合があれば地盤改良や杭打ちなどで対応するから場所を変更する必要はないというものだ。処分場の場所は調査前に決定してあるというのでは、何のための調査だと言いたくなる。

これが正しい進め方なのだろうか?以前から書いているように、安全第一で検討したら偶々ここが選ばれたというのではなく、東電用地という「結論先にありき」の場所選定ではなかったのか?疑念は尽きない。

指定廃棄物の処分場問題:「東電用地という結論先にありきだったのではないか」と疑うこれだけの理由

2015年07月03日

◆3687トンの指定廃棄物

福島第一原発事故によって千葉県でも3687トンの指定廃棄物が発生した。指定廃棄物というのは放射性物質によって汚染され、1kgあたり8000ベクレルを超えるものを指す。その発生量が一番多いのは福島県の13万2千トン、2位が栃木県の1万3千トン、そして3位が千葉県となっている。千葉県の場合、その多くは焼却場から出てきた焼却灰である。

一般廃棄物の焼却灰は、本来ならば市町村が処理をする。しかし放射性物質に汚染されているものまで市町村任せにするわけにはいかないということで、原発事故の5か月後に放射性物質汚染対処特措法が成立した。この法律によって8000ベクレル超の指定廃棄物は国(具体的には環境省)が処理することになった。

◆環境省の説明への疑念

そこで環境省が埋設場所を探すことになったわけだが、今年4月になって千葉県分については千葉市中央区蘇我の東京電力敷地に埋める方針を打ち出した。原発事故の責任企業だからそこに引き取ってもらおうということなのかと思いきや、環境省はそうではないと言う。同省の説明によれば「安全性の確保を第一に考えて最適地を探したら、たまたま東電の敷地だった」とのことである。

しかし私はこの説明に大きな疑念を持っている。つまり東電用地に埋設するという結論が先にあって、後から様々な理由付けが出てきたのではないかと思っている。別の言い方をすれば、安全第一で選考したという説明そのものが虚構なのではないかと疑っている。

もちろん「結論先にありきだ」との明確な証拠をもっているわけではない。しかしそう推察するに足るだけの状況証拠ならば挙げられる。以下それについて箇条書き風に述べていきたい。

◆疑念その1 本当に偶然に東電用地が最高点になるのか?

まず安全第一で検討したらたまたま東電の敷地になりましたという説明そのものが不自然である。環境省の説明をより具体的に言うと「最初は県内の約5千か所を検討しました。それを683か所に絞り込みました。この683か所を安全面の尺度を使い20点満点で点数化したら東電敷地が16点で最高点でした。ですからここを候補地としました」ということになるのだが、そんな偶然は確率的に見ても極めて低いだろう。

◆疑念その2 なぜ東電には事務連絡ですませたのか?

指定廃棄物の処分場というのは、はっきり言えば迷惑施設である。誰も喜んで受け入れるものではない。だからこそ国は近隣住民に対して説明会などを開催して、受け入れをなんとか理解してもらおうとしているのである。近隣住民や地元自治体が難色を示すのは当然だが、普通はそれ以前に地主・地権者の理解を得ることさえ困難だろう。突き詰めて言えば「あなたの土地をゴミ捨て場にさせてください。そのゴミはただのゴミではなく放射性物質が含まれています」という話なのである。そんな話を地権者に持ち込んだとしても「もってのほかだ」とけんもほろろに扱われるのが常識だろう。

環境省からすれば自治体や近隣住民の理解を得るのも大変だろうが、それ以前にどうやって地権者の了解を得るかも頭を抱える問題のはずである。では、今回、環境省はどのように話を進めたのだろうか。

同省の説明を時系列で見てみると以下の通りになる。

・4月9日  環境省内での採点で東電用地が16点だったことを受けて、東京電力にこの土地について何か利用計画があるかを照会。

・4月17日 環境省が東電用地を候補地としていることがメディアによって報じられる。

・4月24日 小里泰弘環境副大臣が千葉市役所を訪問し、千葉市の東電用地を選んだことを説明。

・6月29日 環境省が地元住民への説明会(第1回目)を開催

では土地の所有者たる東京電力にはいつ説明したのだろうか。環境省の説明では4月9日に東京電力に対し「千葉市中央区蘇我の敷地のうち空き地になっている部分は何か使い道が決まっていますか」と事務的に照会したという。しかし「放射性物質を埋めさせて下さい」ということをいつ、どのレベルで申し入れたのかは明らかにしていない。

この点について、環境副大臣の小里氏は6月16日の私の環境委員会での質問に対し、こう答弁している。「(小里氏が千葉市を訪問する4月24日の)数日前だったと記憶しておりますが、事務方からその旨知らせております」。つまり事務的に連絡しただけだというのである。

人の土地に放射性物質を埋設するというお願いを事務連絡ですませているというのである。普通ならば平身低頭して頼むのが筋だろう。なぜそんなに軽いやり方ですむのか。それは、相手が事故の責任企業である東京電力であり、なおかつ以前からここを処分場にするということが事実上決まっていたからではないのか。決まっていたからこそあらためて頼みに行く必要などはなく、事務連絡で済む話になっていたのではないだろうか。

◆疑念その3 なぜ千葉県だけは民有地も選考対象にしたのか?

上述した話にも関係をするが、指定廃棄物の処分場など喜んで受け入れる人などはいない。地元住民や自治体だけでなく地主・地権者も簡単に納得するはずもない。こうした処分場は千葉県など5県に新設することになっているが、千葉県以外の4県ではすべて環境省は国有地と県有地だけを対象にして選定作業を行っている。国有地であっても近隣住民の反発はあるだろうが、地主の反発というハードルだけはとりあえず越えることができるからである。

ところが環境省は千葉県に関してだけは最初から民有地も選考対象にするという方針を取った。ここでも結論が先にあったからではないかという疑念を深めざるをえない。

◆疑念その4 なぜ補償についての議論はなかったのか?

繰り返しになるが指定廃棄物の処分場は典型的な迷惑施設である。そこで国は受け入れてくれた自治体には合計50億円を配分する方針を打ち出している。つまり環境省が処分場を建設する5県に対しては、風評被害対策や地元振興費として合計50億円(単純に割れば1県あたり10億円となるが内訳などの詳細はまだ決まっていない)を交付するというわけである。

しかしこれはあくまでも自治体への資金提供である。人の土地に放射性物質を埋設するとなれば、その土地所有者に対しても何らかの補償が必要になるはずである。他県のように国有地に建設するというのであれば、それも不要だろうが、千葉県のように民有地を含めて選考する以上、受け入れを納得してもらうためにはこうした補償策も検討しておくのが普通だろう。

環境省の説明によれば東電の土地を選んだのは偶々ということである。つまり他の法人や個人の土地が候補地になる可能性も十分にあったということになる。それならば補償策を詰めておくのは当然だろう。東京電力ならば事故の責任企業なので補償を求めて声高に叫ぶことはできないにしても、他の人の土地ならば補償の案がなければ用地交渉は入り口から躓いてしまうだろう。

ところが小里副大臣は補償については議論さえしていなかったことを国会答弁で明らかにしている。議論が不要だったのは東電用地を処分場にすることがあらかじめ決まっていたからではないのだろうか。

◆まとめ

以上、4点に分けて私の疑念を書き綴ってきた。こうしたことから私は「処分場は東電用地に建設するという結論が先にあったのではないか」と思っている。もちろん以上述べてきたことは状況証拠にすぎない。しかし疑うに足るものだとは思っている。こうした疑念がある中で、環境省側が「それは違う。誤解だ」というならば、それを覆すだけの情報を開示して、きちんと説明すべきだろう。ところが今日の時点では、環境省は東電とのやりとりの中身も公表していない。

放射性廃棄物はどこかに処分しなければいけないというのは事実である。もし環境省が「地主の理解など簡単には得られません。だから事故の責任者である東京電力に引き取ってもらうしかないんです」と言うならば、それはそれで一つの考えではあるだろう。しかしそれならばきちんとそう説明すべきである。またその場合は、これまでの説明、つまり「安全第一で選考してきたら、たまたま東電の土地でした」という説明との整合性は問われるだろう。

この問題はまだまだ尾を引きそうである。国政にある身としても今後も引き続いてしっかりと質すべきことは質していきたいと思う。

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