けんいちブログ

「国会が使う電気について(その2)」

2011.10.07

国会が使う電気について(その2)
      ~東電優遇に道理なし~

 国会の電気代は7億8800万円となっている。これは議員会館や宿舎も含んでいるので議事堂本館と分館等に限れば3億5800万円になる。議員は別としても職員だけで衆議院には1700人、参議院には1300人働いているのだから大企業のようなものである。

電気契約の内訳を見てみよう。ちなみに国会議事堂は正面玄関から見て左側半分が衆議院、右側半分が参議院だが、電気は別々に契約している。議員会館は衆議院用に2棟、参議院用に1棟あるが、これも別々の契約である。そこで資料は両院から取り寄せた。
【衆議院主要建物の電気契約等一覧】

 
契約電力
使用電力量
電気料金
本館・分館等
3,480
11,983
205,195,833
議員会館
3,621
14,096
248,093,501
議長公邸
209
445
8,084,578
副議長公邸
3420
93
2,016,018
憲政記念館
276
686
12,239,630
参観者バス駐車場
18
48
1,032,967
青山仮議員宿舎
22
141
2,504,289
赤坂議員宿舎
437
1407
22,419,125
 

(平成22年度実績。単位は契約電力はkw、使用電力量は千kwh、電気料金は円)
【参議院主要建物の電気契約等一覧】

 
契約電力
使用電力量
電気料金
本館・分館等
2,856
9,403
153,097,052
議員会館
3,300
6,358
105,669,442
議長公邸
302
260
4,726,285
副議長公邸
55
99
2,061,556
麹町議員宿舎
281
1,103
16,739,178
清水谷議員宿舎
61
309
4,323,530


(平成22年度実績。単位は契約電力はkw、使用電力量は千kwh、電気料金は円)
 これらはすべて東京電力との随意契約である。現在、法律上は契約電力50kw以上のものは自由化されているため、いくらでも入札して安い電気を買うことができるにもかかわらずである。

電気代は合計すると衆参両院で7億8800万円になる。使用電力量は4600万kwhである。もっとも4600万kwhといってもすぐにはピンとこない。他の有名な施設と比べてみよう。帝国ホテル(日比谷)が5520万kwh、日本橋三越本館・新館が4502万kwhとなっている。

 cf.帝国ホテルなどのデータは省エネ法の定期報告に基づく。

ただホテルやデパートと違うのは、国会は税金で運営されている点である。民間企業がどの電力会社からいくらで電気を購入しようと、その会社の判断である。だが国会の電気代は税金である以上、しっかりと監視の眼を光らせる必要がある。

 入札の結果、東京電力が落札するというならば分かる。しかし入札さえせずに高い電気を買い続けるという理由はまったく説明がつかない。東電だけを優遇するのは道理が通らない。国会関連施設でも国会図書館はすでに入札の結果、新規参入事業者(PPS)のエネットが電気を供給している。国会図書館にできて国会本体ができないはずがない。

 すでに参議院の事務方には「入札すべきだ」という私の考えは伝えてあるが、電気料金を含む国会の予算要求は正式には来年1月に決まることになる。まず衆参両院の議院運営委員会庶務小委員会で諮り、その上で議院運営委員会で決めることになる。私自身は現在、議院運営委員会の理事であり、庶務小委員会のメンバーでもある。改善が見られない場合には、しっかりと発言をしていかなければならないと思っている。

 実はこの問題は国会だけではない。地方自治体もそうである。50kw以上の電気が自由化対象ということは、地方自治体の使う電気もかなりの部分は入札できるはずである。だがこれも遅々として進んでいないように見受けられる。

 幸い今年の統一地方選などでみんなの党所属の地方議員も増えてきた。こうしたこともきちんと調査していきたい。そして問題があれば改善を迫っていきたいと思っている。

ページ上部へ