けんいちブログ

北総・公団線の運賃問題(1)

2000.05.18

「北総・公団線の運賃問題(1)」

◆日本有数に高い運賃をなんとかしたい。地元住民の期待に応える連載第1弾。
北総・公団線の旅客運賃問題「長期間、値上げはいたしません」
運輸省が衆議院決算分科会で約束
四月二十日の衆議院決算行政監視委員会第四分科会で、水野賢一衆議院議員は二階運輸大臣などに北総・公団線の運賃問題で質問した。 同路線は、他の鉄道に比べ同じ距離で二〜三倍という高い運賃水準になっている。
水野代議士の質問に運輸省側は「なるべく長い間運賃を据え置きたい」と答弁し、千葉ニュータウンの住民にとっての悲願である運賃問題の解決に向かい大きく前進した。

千葉NT中央〜新日本橋1,110円はあまりにも高すぎませんか?
距離20キロの運賃比較
北総・公団線 680円
北総・公団線対比
京成電鉄 310円 2.2倍
都営地下鉄 310円 2.2倍
JR東日本 290円 2.3倍
営団地下鉄 270円 2.5倍

北総・公団線の運賃は他の鉄道に比べて二倍から三倍も高く、日本有数の高額運賃となっている。そのため六か月の通勤・通学定期で比べると他の鉄道と数十万円の格差ができてしまう。この背景としては運営する北総開発鉄道(株)が年間二十四億円、累積で四百三十四億円という巨額の赤字を出している点が挙げられる。

赤字の理由は大きく分けて二つ。一つは千葉ニュータウンの入居の遅れだ。千葉ニュータウンは当初、将来人口を三十四万人として計画されたが、下方修正されて現在の計画は十九万四千人だ。しかし現在入居しているのはその四割にも満たない七万六千人だけ。鉄道利用者が予定通り増えないため赤字になり運賃の値上げをせざるを得ない、逆に運賃が高いので入居者が増えないという悪循環に陥ってしまっている。

もう一つの理由は同社が払っている建設費である。実際に鉄道を建設したのは鉄道建設公団という特殊法人なので同社はここに建設費を二十五年分割で払っている。しかしこの金利が高く、経営を圧迫し巨額の赤字を生み出した。

また水野代議士は、運賃問題の解決策として「金利負担を軽減するための低金利への借り換え」をまず提案。水資源開発公団や農林金融公庫など、過去に借り換えをした具体例を挙げ、特殊法人に対しても繰り上げ償還・借り換えが可能ではないかと運輸省に迫った。
また、鉄道に対する国の補助制度がもはや時代遅れになってしまっていることを指摘し、この改革など、運賃問題早期解決のためのより現実的な手法を提案。分科会に出席した関係者からは、共感する声が多数聞かれた。

水野代議士は、ただでさえ高い運賃が二〜三年おきに値上げされている現状を取り上げ、「今後長期間にわたって値上げをしないことを約束していただけるか」と質問。これに対し、運輸省の安富鉄道局長は「二〜三年おきに値上げをすると入居も遅れて悪循環になるので、できるだけ長く運賃を維持していきたい。値上げ申請があっても十分慎重に対応したい」と答弁した。これまでの同省が「高い運賃もやむをえない」と言っていたことに比べると大きい前進ではあるが、水野代議士は「あくまでも目標は値下げ」と今後の努力を誓った。

昨年から今年にかけて、地域住民が行った運賃値下げの署名運動では短期間で六万三千人もの署名が集まった。北総開発鉄道運賃問題の解決は、まさにすべての住民の悲願と言える。水野代議士は地元選出の国会議員として一日も早い「悲願達成」を目指していくつもりだ。

◆水野賢一のひとりごと
この文章は昨年の衆議院選直前に選挙区内にビラとして配ったものです。「水野代議士は・・・と提案した」というように新聞記事風に書いてありますが、筆者は私自身です。 さてこの時の選挙公報にも私は次のように書きました。

“北総・公団線の運賃問題は、国会で取り上げ、その結果、運輸省が「長期間値上げはしない」と回答しました。今後も値下げに向けて努力します”。 つまり私にとって値下げへの努力は選挙公約なのです。だからこそ当選させていただいた後も微力を尽くしているつもりです。

総選挙後の動きとしては、昨年8月に千葉県や関係市町村で「北総開発鉄道利用促進協会」というのが設置されて様々な角度から北総鉄道の利便性を高めるべく論議が始まりました。そして北総鉄道への第四次支援策もまとまりました。さらに北総鉄道側も「学期定期」を発売することになりました。今まで通り「3か月」という期間で買いたいお客さんはそれで買えば良いし、「一学期」という単位で買った方が有利な人はそっちを選べるようになりました。選択の幅が広がったのは歓迎すべきことです。関係者のご努力には感謝してます。
そういう意味でこの問題も少しずつの前進はしています。ただあくまでも最終目標は値下げです。この目標は率直なところ“なお道遠し”の感もあります。しかし今後とも粘り強い取り組みをしていくことを重ねてお約束いたします。 なお北総・公団線の運賃問題については2000年5月25日、6月1日の欄もご参照ください。

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