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けんいちブログ

救急医療の充実を

2009.03.01

『救急医療の充実を』

千葉県でも急患の「たらい回し」が深刻になる中で水野賢一衆議院議員にこの問題に聞いた。

Q1 救急医療が崩壤しつつあるという危惧もありますが。

水野:病院は近くにあるのに「ベッドが空いていない」「専門医がいない」ということで受け入れを拒否さる「たら回し」の事例が頻発しています。とりわけこの問題は首都圏で深刻になっています。医療機関の数が多いために、かえって他の病院任せにする面もあります。08年には東京都で静脈瘤破裂の40歲代の男性が救息車で運ばれた時、48回受け入れを拒否され49回目の照会でやっと受け入れ先が見っかったという例がありましたが、これでは救急医療とはいえません。

【受け入れの最多拒否回数】
救急車からの受け入れ拒否の最多回数を都道府県ごとに比較すると大都市圏でたらい回しが相次いでいることが分かる。 (08年の重症以上の人の場合。消防庁データより作成)
①東京都48回
②神奈川県41回
③大阪府32回
④埼玉県30回
⑤千葉県25回

【受け入れまでの時間】(全国平均)
急病や怪我の連絡を受けてから救急車が現場に到着し医療機関に収容するまでの時間は、年々びてきている。
1990年21.7分
2000年27.8分
2007年33.4分
(総務省消防庁データより)

Q2 対策としてどのようなことが必要ですか?

水野:根本的には医師や救急病院の数が不足しているという問題があります。ただ医師の養成には10年くらい掛かるので、まずは即効性のある対策も取らなけれぱなりません。ーつには現在は空きべッドの情報が救急車側にリアルタイムに伝わっていないという問題があります。病院は厚生労働省、救息車は消防庁の所管ですが、縦割りを打破してきちんと情報共有できる仕組みを作る必要があります。また医師が過酷な救急医療の現場を敬遠する傾向もあるので、この分野には手厚い支援を行ない必要な医師数を確保すべきです。これらの施策によって救急車の「たらい回しゼロ」を目指します。

【救急医療機関一覧リスト】=保存版=
「千葉県の三次救急医療機関」 三次救急医療機関とは生命の危機が切迫している重篤な患者に対応する機関を指す。千葉県が県内で指定しているのは以下の9施設。

名称/所在地/入院定員
千葉県救急医療センター/千葉市美浜区/100
船橋市立医療センター/船橋市/426
順天堂大学附属浦安病院/浦安市/653
国保松戸市立病院/松戸市/613
成田赤十字病院/成田市/719
日本医科大学附属千葉北総病院/印旛村/600
国保旭中央病院/旭市/956
亀田総合病院/鴨川市/925
国保君津中央病院/木更津市/651
(以上は09年2月1日現在)

「近隣の二次救急医療機関」
二次救急医療機関とは入院が必要な救急患者を受け入れる病院 · 診療所を指す。二次以上に該当するとして千葉県から告示を受けている救急医療機関は県内に147施設ある。千葉市若業区 · 佐倉市 · 四街道市 · 八街市に限れば以下の施設が「二次Jとなっている。

名称/所在地/入院定員
千業中央メディカルセンター/若業区加曽利町/272
泉中央病院/若葉区高根町/98
みつわ台総合病院/若業区若松町/297
福住医院千葉/若業区みっゎ台/19
東邦大学医療センター佐倉病院/佐倉市下志津/451
聖隷佐倉市民病院/佐倉市江原台/400
佐倉中央病院/佐倉市栄町/96
佐倉整形外科病院/佐倉市大崎台/38
四街道徳州会病院/四街道市吉岡/134
栗山中央病院/四街道市栗山/83
大日病院/四街道市大日/122
八街総合病院/八街市八街ほ/199
海保病院/八街市八街ほ/34
(以上は09年2月1日現在)
 
Q3医師不足についてはどうですか?

水野:日本の医師数は約28万人ですが、人口千人当たりで見ると2.1人で先進国の中では最も少ない方です。最近、話題になった銚子市立総合病院の閉鎖も医師不足が原因のーつでした。現在、医師国家試験に合格して新たに医師になる人は年間7千人ほどです。亡くなったり辞める人を引いた純増は年4千人くらいになっていますが、さらなる増加が必要です。ただし医師の質の確保も必要ですから単純に増やせばよいというだけでなくメリハリをつけながら増員をしなければならないと思っています。

【国際的な医師数の比較】
人口千人当たりの臨床医数(06年)は
日本2.1人
アメリカ2.4人
イギリス2.5人
フランス3.4人
ドイッ3.5人

Q4 メリハリをつけると言いますと?

水野:医師不足が特に深刻なのが、産科 · 小児科、さらには救急医療です。医師の総数は足りないながらも全体としては増加している中、これらの診療科の医師数は滅少しています。そのため病院では産科医が滅ると残った医師の負担が重くなり、耐え切れなくなってまた辞めてしまうという悪循環が起きています。これを断ち切るためにもこれらの分野に思い切って重点的に予算をつけるなどすべきです。
【産婦人科の数】
1994年11,391人
2000年11,059人
2006年10,074人
(厚生労働省資料より)
 
【小児救急電話相談事業】
「子供の熱が出た」「子どもが吐いた」といった時に救急車を呼んだ方が良いかなどを無料で保健師、小児科医が電話相談に応じてくれる事業。45都道府県で実施されており、千葉県では平成17年から始まった。平日・休日の19~22時に実施している。
【電話番号は#8000】

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