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けんいちブログ

名古屋議定書に関連して質問主意書を出しました

2015年03月10日

いま開かれている通常国会で政府は「水銀に関する水俣条約」の承認を求めています。2013年に熊本市や水俣市で開かれた国際会議で採択された条約なので、その正式名称に「水俣」の文字が入っているわけです。もちろんその背景には水俣病の悲劇を繰り返してはならないという世界共通の思いがあるのは言うまでもないでしょう。

さて日本の地名が入った国際条約の中で最も有名なのは地球温暖化防止のための京都議定書でしょう。1997年に締結されたこの条約(議定書という名称ですが条約と変わりはありません)では日本を含む先進各国が2010年までにどれだけ温室効果ガス排出を削減するかの数値目標を定めています。

京都議定書ほど有名ではありませんが名古屋議定書という条約も2010年に採択されています。これは生物多様性に関する条約で、正式名称は「遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書」というものです。もちろん日本が議長国をつとめた名古屋での会議で採択されたことが名前の由来です。ところがこの名古屋議定書に関しては、当の日本は署名はしましたが、いまだに批准手続きをすませていません。批准の大前提は国会で承認されることですが、政府は国会での承認を求めようともしていません。

政府は関係機関と調整して国内措置をきちんとすませてから批准すると言いますが、署名から5年近く経つ中で何をやっていたのかという感があります。どうやら国内の産業界(製薬業界や化学業界)が「こんな条約に入ると自分たちは損をする可能性がある」と言って反対ないしは消極的なので、それに配慮をしているようです。綺麗な言い方をすれば、関係者の理解を得るために丁寧な手続きを踏んでいるということになるのでしょう。

私自身も現段階で条約の内容や関係業界の動向について詳細に調べているわけではないので、それ以上のことを言うつもりはありませんが、一般論として言えば日本が議長国としてまとめ、日本の地名がついた条約を日本が締結しないというのは普通に考えておかしなことだとは思います。しかもこの名古屋議定書は発効要件の50か国以上の批准が終了し、すでに発効しているのです。業界には業界の言い分もあるのでしょうが、業界益があまり優先するのもどうかと思います。

そうした問題意識を持って、以下の質問主意書を提出しました。

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名古屋議定書等に関する質問主意書

一 日本国が署名又は採択した条約、協定、議定書など(以下「条約等」という。)のうちその正式名称に日本国の地名が含まれているもの(例えば「気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書」)としてはどのようなものがあるか、条約等の名称を示されたい。なお「日本」という名称が入っているものは数多くあるため除外し、日本国内の都市名、地名が含まれている条約等の名称を示されたい。

二 前記一で示した条約等について、日本国としての署名又は採択の年月日、発効の年月日及び日本国としての批准の年月日を示されたい。

三 二〇一〇年に採択された「生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書」(以下「名古屋議定書」という。)については日本の批准手続がいまだになされておらず、政府は国会承認を求めることもしていない。名古屋議定書を批准し、締結する意思があるのか否か、政府の見解を明らかにされたい。

また、締結する意思があるとすれば、その時期を示されたい。

四 名古屋議定書は日本が議長国となって名古屋で開催した会議で採択されたものである。この場合、「日本国としては他国に先駆けて批准し締約国となるのが当然だ」という考え方が出てきてもおかしくないと思うが、こうした考え方について政府の見解を明らかにされたい。

五 民主党政権時の二〇一二年に閣議決定された「生物多様性国家戦略二〇一二―二〇二〇」には名古屋議定書締結に向けた方針が書かれているが、ここに記述された方針に何か変化はあるか。

六 政府側のこれまでの説明によると、名古屋議定書締結に必要な国内措置を実施するため産業界などの関係者と協議をしているとのことである。そこで二〇一二年十二月に第二次安倍政権が発足して以降、締結に向けていつ、誰と、どのような協議などを行って締結に向けた努力をしてきたのか明らかにされたい。

右質問する。

 

 

 

 

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