犯罪被害者の裁判参加が可能に
2008.01.15
「犯罪被害者の裁判参加が可能に」
殺人など刑事事件の裁判手続きは刑事訴訟法によって定められています。07年6月この刑事訴訟法が改正され犯罪被害者が裁判に参加できるという新制度が導入されることになりました。これまで被害者が裁判の時にできることといえば傍聴席に座ることくらいでした(一応被害者意見陳述という制度はありましたが)。しかし裁判は公開が原則である以上、傍聴というのは誰であっても可能です。つまり誰でもできる程度のことしか被害者の権利としては認められていなかったのです。
そうした中、これではあまりにも被害者を軽視しているのではないかとの声が高まってきました。「加害者の権利が声高に語られることはあっても被害者の権利があまりにもないがしろにされている」「裁判では被害者が蚊帳の外に置かれている」という批判です。そこで今回の法改正で被害者が希望すれば、被告人に対して質問をしたり「被告人を懲役15年にしてください」というような求刑に類する最終意見も述べられるようになりました。対象犯罪は殺人、傷害、危険運転致死傷、業務上過失致死傷罪などですから窃盗や詐欺などは対象外ですが、被害者の権利拡充という点では大きく前進したといえます。改正された刑事訴訟法は08年の秋頃に施行される予定ですが、今後も被害者と共に泣くことができる血の通った司法の確立に向けて力を尽くしていきたいと考えています。
● 1980年に犯罪被害者給付金支給法が成立し、通り魔殺人など故意の犯罪行為の被害者に対しては公費で一時金が支給されるようになりました。遺族の場合、受け取りの最高額は1573万円となっています。
● 犯罪被害者への相談窓口の充実などを図るために2004年に総合法律支援法が成立しました。同法に基づいて06年に日本司法支援センター(愛称:法テラス)が設立され、コールセンター(0570-079714)で犯罪被害者への情報提供などを行なっています。
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