エネルギー基本法について
2001.04.14
「エネルギー基本法について」
◆エネルギーと環境の調和。この両立を目指す水野賢一の働き。
自民党内で「エネルギー政策基本法」という法案が審議されている。エネルギーの安定供給を確保し、環境にも適合した包括的なエネルギー政策を進めるという狙いである。今回はこのエネルギー基本法の討議の過程を振り返ってみたい。
エネルギーは文明社会にとって不可欠のものである。我々の生活と切っても切り離せないものでもある。教育に教育基本法があり、観光に観光基本法があり、土地に土地基本法があるようにエネルギー基本法があっても不思議はない。私もこうした体系的な法律を制定することにはいささかの異存もない。
しかしこの法案の検討過程においては、いささか見過ごせない問題点が存在した。まず第一は企業に甘い点である。法案要網をみるとエネルギー使用にあたって環境に配慮することなどの「国の責任」が謳われている。確かに国には大きな責任があるはずである。だからこれが盛り込まれるのは当然だろう。「地方の責任」も謳われいる。これもまあよい。ところが「企業」については「責任」ではなく「企業の役割」に後退していたのである。もっと細かくいえば、もともとの原案では「企業の責任」だったものがいつの間にか「企業の役割」に変貌してしまっていたのである。それだけ自民党内には企業に負担や責任を負わせることを嫌がる勢力があるということだろう。
第二の問題点は少し細かくなるがこれも重要なことである。この法案では環境保全について言及しているが、ここでいう「環境」がいわゆる地球温暖化問題に限定されていたのだ。温暖化を防止することの重要性はいうまでもない。しかしこの法案はこれを強調するあまり他の環境問題の視点が欠落していた。他の環境問題とはなにか。例えば大気汚染である。デイーゼル車による大気汚染は密接にエネルギーと関わっているが、この法案ではこうした部分への配慮が十分とはいえななかった。
そこで私はこの法案審議の過程で意見書を提出した。以上ニ点についての意見である。つまり、「企業の責任」を明記すること、大気汚染など地域に密着した環境問題も明記すること、という内容である。その結果、幸いにして私の主張通りこれらの文言は法案に盛り込まれることになった。法案審議の過程でいささかなりとも環境への配慮に貢献できたのではないかと、多少の満足感を覚えている。
◆水野賢一のひとりごと
私の意見を取り入れてくださった方々ありがとうございます。まだまだ自民党も捨てたものではありません。さて反原発派の人々はこの法案を「原発押しつけ法」だと批判していますが、それはちょっと極論じゃないのかなあ。むしろ私が主張した修正が受け入れられたことで素晴らしい法案になったように思うんですけど(自賛しすぎかな)。私はなにも積極的な原発推進論者でも廃止論者でもないけど、この法案を「原発押しつけ法」だと批判するのはかなりの無理があるような気がしますけどねえ。
原発のことはさておき、今後のエネルギー源として太陽光や風力などの自然エネルギーを推進しなければいけないというのは大賛成。燃料電池にも大いに期待しています。 ちなみにこの法案は党内議論はだいたい終わったけどまだ国会に提出されていません。日程上の理由などいろいろあるのかな?
(この◆水野賢一のひとりごとは2001年5月27日に記す)
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