一院制(その1)
2010.06.17
「みんなの党」は行政改革や公務員数の削減に特に力を入れています。これらの改革に痛みが伴うのは事実です。しかし国の将来のためやらなければなりません。
ただ痛みを伴う改革を言う以上、国会議員も痛みを分かち合うのは当然のことです。議員が身を切るといえば、まず定数の削減です。
民主党のマニフェストにも衆議院議員を80削減し、参議院もそれに準じて削減と書いてありますが、政権交代後、この話が進んでいるとは寡聞にして聞きません。
地方議員の数は市町村合併などによって激減しています。国会議員数だけが手つかずというわけにはいきません。定数削減に踏み込むべきです。
そしてより抜本的な良策は一院制を導入することです。そうすれば議員数を減らせるだけでなく、国会の職員も大幅に減らせます。
衆議院の職員数1800人、参議院の職員数1200人ですから大企業並みです。しかもずいぶんと業務も重複しています。以前は速記の人も別々に採用していたくらいです。
今でも厚生労働委員会、農林水産委員会といった各委員会は両院に存在するので、両方に調査室などがあり、まったく重複した業務を行なっています。一院制にすればこうした無駄はなくなります。
そもそも国会に二つの院が必要なのかという根本問題を考えてみましょう。二院制を擁護する人たちは「第一院の暴走をチェックする必要がある」「慎重審議のためにも二院が必要」などと言います。
しかしそれと同時に弊害もあります。「時代の流れに合った迅速な決定がしにくくなる」、「二つの院の議決が異なる場合に、何も決められなくなる」、「議員・職員数が多くなりコストがかかる」などです。
フランス革命の理論的指導者アベ・シェイエスは「第二院が第一院と同じ結論を出すならば無用だし、違う結論を出すなら有害だ」と言ったとされますが、含蓄のある言葉だと思います。私自身は将来的には、一院制でよいと思っています。「みんなの党」もそれを掲げています。
「二院制で慎重審議を」という主張もあまり本質的な指摘ではありません。慎重に議論すべきならば一院の中で審議時間を確保して徹底審議をすればよいだけのことです。現に地方議会はどこでも一院制です。国だけがどうしても二院制でなければならないということはないでしょう。
二院制から一院制へという改革の最大の抵抗勢力は、特定の政党・圧力団体というよりは「参議院」そのものですが、この点については次号で。
(本日からブログの更新頻度を増やす予定でいます)
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