けんいちブログ

低公害車について(2)

2001.05.13

「低公害車について(2)」

低公害車って何だろう。矛盾を抱える現在の低公害車の定義とは。
小泉首相は政府の公用車をすべて低公害車に替えると宣言した。 環境重視の小泉内閣の目玉政策の一つである。さて低公害車とはいったいどういうものだろうか。現在、政府は電気自動車・メタノール車・天然ガス自動車・ハイブリット車の4種類を低公害車だと認定しており、これらの車種は「低公害車4兄弟」と呼ばれている。

しかし奇妙なことがある。排ガスを実際に測定した上で低公害車かどうかを認定するわけではないのだ。別に私はこれら4種類の車の排ガスが汚いと言っているわけではない。確かにこれらの排ガスはガソリン車やデイーゼル車に比べてクリーンだとされている。問題はこの「4兄弟」以外の車はどんなに排ガスの性能がよくても低公害車とは認められないということである。最近はガソリン車でも排ガスが相当クリーンなものも出てきている。またLPガス車の排ガスも天然ガス車とそれほど遜色ないとされている。ところがこれらの車が低公害車と見なされることはない。

低公害車かどうかというのはあくまでも排ガスがクリーンかどうかによって判断されるべきである。燃料によって判断されるべきではない。ましてこの4車種への限定も時代遅れになっている。例えばメタノール自動車は以前は期待を集めていたが、実際にはほとんど普及することなくいわば死に体である。制度というのは時代に合わせて柔軟に変えるべきである。しかもこの制度を変えるのは簡単である。というのも、これら4車種のみを低公害車と認めることは法律で決まっているわけではないからだ。政府が独自にそう決めているだけである。つまり認定基準を変えるために法律改正は必要ない。政府が判断基準を変えるだけですむのだ。低公害車が注目の的になっている今、こうしたことにも政府は柔軟にのぞむべきであろう。

”水野賢一のひとりごと”
行政府たる政府の公用車もさることながら、立法府たる国会にも公用車があります。衆議院だけを見ても議長車・副議長車・各委員長車、さらには各政党会派に割り当てられる車など166台があります。そのうち低公害車は天然ガス車が2台だけとお寒い限り・・・。 ただし普及が進まなかったことにも訳があります。例えば天然ガス車ならば一番のネックはスタンドが少ないことでしょう。ガソリンスタンドが全国に5万か所以上あるのに対し、天然ガススタンドは130か所しかありません。こうしたインフラ整備にも力を注ぐ必要があるでしょう。
(この“ひとりごと”は2001年5月26日に記す)

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