子ども手当
2010.06.07
子ども手当の支給が始まりました。昨年の総選挙での民主党の看板政策です。
あの総選挙で民主党が大勝した最大の理由は、国民が自民党に愛想を尽かしたからでしょう。いわば自民党の自滅です。
ただ政策面で言えば、子ども手当が民主党への期待を煽った面も見逃せません。月額2万6千円。年間にすれば31万2千円。対象年齢の子供が3人いれば100万円近く。そう考えた人も多いでしょう。
冷静に考えれば従来の児童手当が廃止されるわけですし、財源確保のために控除が廃止されたりするので、2万6千円が純増になるわけではありませんが、アピール度が大きかったことは間違いないところです。
子ども手当については批判も強くあります。私自身も批判的な一人です。「財源が明確でない」「バラマキだ」という批判はまったくその通りですが、さんざん指摘されている点なのでここでは繰り返しません。別の問題点を指摘しておきます。
子ども手当は支給対象に「子供が日本国内に居住している場合」という条件がありません。そのため日本に暮らす外国人が母国に子供を残してきた時にも手当は支払われます。日本に一度も来たことのない子供に手当を支給することも十分にあり得るわけです。
国会では「アラブの王族が日本で働いて本国に50人子供がいるといっても支払うのか」という追及もありました(質問者もアラブの王族という表現は不適切として撤回しましたが・・)。
実はこうした問題点はこれまでの児童手当にもありましたが、額が激増する中、きちんと詰めておく必要があるのは当然です。国会審議でも取り上げられている以上、こうした抜け穴は修正すればよいのです。
なぜ修正しなかったのか。そうすると6月支給が間に合わなくなり、参議院選前に支給するという民主党の選挙戦略に狂いが生じるためです。
バラマキさえすれば票が入るという国民愚弄の選挙戦略が功を奏するとは思えないのですが・・。
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