官僚依存政治の打破を
2009.08.15
「官僚依存政治の打破を」
「官僚依存ではなく議員立法を」と唱える水野賢一氏に聞いた。
Q1 水野さんは官僚依存の政治を厳しく批判していますね。
水野 選挙で選ばれた人間が政治を主導し、責任も取るというのが民主主義の本来の姿だからです。ところが現実には自民党内にも「役所の作った法案をすみやかに通すことが与党の仕事だ」と考えている政治家がいるのは事実です。このように議院内閣制の意味を履き違えた人がいるため官僚主導と言われてしまいます。
そこで私は議員立法をもっと活用すべきだと思っています。これまでの国会活動の中でもいくつかの議員立法に取り組んできました。政府がやらなければ自分で立法するという気概を持ってこそ立法府の一員だと思います。
Q2 北朝鮮に対する経済制裁法も議員立法で成立させましたね。
水野 2004年のことですね。当時(今もですが)北朝鮮は核・ミサイルの開発を強行する一方で、拉致問題の解決には極めて不誠実な態度をとっていました。日本政府は「対話と圧力」という方針を口では唱えていましたが、実際には圧力をかけようにもかける手段がなかったのです。経済制裁を実施するための法律がなかったからです。しかも政府はそうした法整備に消極的でした。北朝鮮を刺激したくないと考えていたからでしょう。そこで私は「法律がないのであれば作ればよいではないか」「政府が作らないのであれば議員立法でやろう」と考え、党内の若手有志議員と力を合わせて経済制裁法を議員立法で制定しました。
〔北朝鮮経済制裁法〕
2004年に議員立法で成立した改正外為法と特定船舶入港禁止法を指す。いずれも水野賢一が提出者代表となった。改正外為法によって必要があれば日本単独で貿易制限や送金停止などの措置をとることが可能になり、特定船舶入港禁止法によって万景峰号などの船舶入港禁止措置が可能となった。いずれの法律も現在発動されており、北朝鮮船の入港は全面禁止になっている。
Q3 水野さんの相手の民主党候補も郵政省のキャリア官僚出身ですが。
水野 別に元キャリア官僚だから悪いというつもりはありません。ただ自分が所管していた業界に支援してもらっているとなると話は別です。自分が許認可の権限を握っていた業界から丸抱え支援を受けることは「癒着」「しがらみ」そのものだからです。それこそ民主党が批判している「政官業の癒着」に他なりません。その点、元郵政省のキャリア官僚だった人が郵便局長らの全面的支援で活動していることには疑問を持ちますね。
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