拉致問題を風化させるな
2007.05.01
「拉致問題を風化させるな」
「拉致問題の解決なくして北朝鮮との国交正常化なし」というのが安倍内閣の方針です。国交正常化というのは北朝鮮への多額の経済協力を意味します。1965年に韓国と国交樹立をした時には有償2億ドル、無償3億ドル、合計5億ドルの経済支援をしています。貨幣価値の変化などを勘案すれば、北朝鮮側が日本円で1兆円を超える援助を期待していることは間違いないところです。拉致問題が解決しないまま莫大な経済協力だけを進めるわけにはいきません。ましてその支援が日本に向けた核開発やミサイル開発につながりかねないのですからなおさらです。
政府は拉致問題の解決として①すべての生存者の帰国、②真相の究明、③容疑者の引渡し、の3点を掲げています。まず①の生存者の帰国は当然のことです。ごく普通の生活をしていた人たちが突然さらわれて海のかなたに連れて行かれたのですから「返せ」というのは当然すぎるほど当然の要求です。②の真相究明も現状ではまったく進んでいません。北朝鮮が出してきた「遺骨」と称するものをDNA鑑定したら偽物だと判明したことなどは何をかいわんやです。そして拉致に携わった工作員・辛(シン)光(ガン)洙(ス)が北朝鮮国内で英雄として扱われている現状も容認することはできません。③の引渡しも強く求める必要があります。
拉致問題は日本にとっての重大な主権の侵害であると同時に極めて深刻な人権の侵害です。この問題を風化させずに一歩でも解決に近づけるよう今後も全力を尽くしていきたいと思っています。
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