税金の無駄遣い撲滅 · 特集号
2009.06.01
『税金の無駄遣い撲滅 · 特集号』
~「税金の使い道を適正化すべき!」と先頭になって動いている水野賢一衆議院議員に聞いた~
Q1 昨年は道路特定財源がずいぶんと話題になりましたね。
水野:ガソリンには1㍑あたり53.8円のガソリン税がかかっています。 軽油ならば1㍑あたり32.1円の軽油引取税がかかります。これらの税金の使い道は道路整備という特定の目的に限られていたので「道路特定財源」と呼ばれてきました。昨年話題になったのは、①この税率をどうするか、 ②使い道をどうするか、という二つの話でした。
【ガソリン税とは】
ガソリンには消費税以外に揮発油税(48.6円)と地方道路税(5.2円)が かかっている。この二つの税金はいずれも国税で、総称してガソリン税という。ガソリン税収は平成19年度で2.8兆円になっている。ガソリン税 は道路特定財源の代表的なものだが、それ以外の道路特定財源としては軽油引取税、自動車取得税、自動車量量税などがありこれらを含むと道路特定財源の全体の税収は5.6兆円になってぃる。
【特定財源と一般財源】
特定財源とは特定の使途にのみ使える税金を指す。道路特定財源以外にも発電所の立地などに使い道が限定されている電源開発促進税などがある。これに対して使途を決めずに何にでも使える税金をー般財源と呼名し所得税、法人税、消費税などは一般財源である。自動車関係の税でも自動車税(都道府県税)や軽自動車税(市町村税)は一般財源である。
Q2 水野さんは「道路特定財源を廃止すべきだ」という急先鋒でしたが どうしてですか?
水野:特定財源は無馱遣いの温床になってしまうからです。とりわけ道路特定財源は国 · 地方合わせて5兆円以上の巨額なものですから見過ごすわ けにはいきません。 真に必要な道路を建設するのは当然ですが、特定財源制度だと「ガソリンなどを使うと年間5兆円以上の税収がある」→「それは道路にしか使えない」 →「だから使い切るまで道路を建設し続ける」という本末転倒なことになりがちです。 そこで同じ志を持つ若手議員と共に“せっかくの税金である以上、福祉 · 教育 · 環境などに自由に使えるように制度を変えよう”と声を上げ続けました。 族議員の抵抗はありましたが、ようやく今年からー般財源化が実現されま した。
Q3 道路特定財源制度はなくなったわけですか?
水野:そうです。今年の法改正で廃止されました。今後はガソリン税など も「一般財源」といって必要な分野に自由に使える税金になったわけです。 元々ガソリン税は昭和24年にできましたが、最初は何に使ってもよい税金だったのです。それを昭和29年に当時まだ若手議員だった田中角栄氏 が主導して全額を道路に使うという誰員立法を行ないました。それから5 0年以上この制度が続いていましたが、ついに幕を開じて本来の姿に戻っ たことになります。 こうした改革が骨抜きにされずに、きちんと福祉などにも税金が回ってい くように今後もしっかりと監視の眼を光らせていこうと思っています。
Q4 無馱道い撲滅のためには今後も努力が必要ですよね。
水野:最大の特定財源だった道路特定財源が廃止されたことは大きなー 歩ですが、これで終わりということはありません。引き統き無駄撲滅の戦いを進める必要があります。そのためにも「まず醜より始めよ」ということで国会議員や公務員定数の削减を実現しなければなりません。
Q5 民主党は「天下りをなくせば12兆円の無駄が浮く」と言っていますが。
水野:単純で粗雑な論理ですね。天下り規制は必要ですが、天下りさえ全 廃すれば12兆円浮くなどというのはまったく事実に反します。無駄撲滅 のためには中身のない大風呂敷を広げるのではなく、着実で粘り強い作業 が必要です。私 · 水野賢ーはそのための労は惜しみません(以下のコラムを 参照してください)。
※水野費ーコラム〈天下りをなくせば12兆円!?〉
民主党は天下り先の公益法人などに国の予算が12兆1千億円流れ込ん でいると批判してぃます。それだけ聞くと天下った官僚OBのために12 兆円が使われているようですが、事実はまったく異なります。国が補助金 · 交付金・融資などの形で出した12兆円の中身は奨学金や自営業者の資金 繰りや私学助成などです。ただこれらを実施している日本学生支援機構(奨 学金を実施)や国民生活金融公庫(自営業者の資金繰りを実施)に文部科学 省OBや財務省OBがいるのは事実なので「天下り団体に12兆円」と言っているわけです。
日本学生支援機構に本当に文部科学省OBが必要なのかどうかは疑問ですし、改革する必要もあるでしょうが、天下りをゼロにしたとしても奨学金や自営業者の資金繰り対策そのものは必要ですから続けなければなり ません。つまり12兆円が浮くわけではないのです。
なお現在、公益法人などに再就職している中央官庁OBは2万5千人いますが、その多くは民主党支持の官公労出身者です。民主党が口先では天下り禁止といいながら実は不熱心なのはそのためだと言われています。
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