組織票(その1)
2010.06.21
選挙についてはいろいろな考えや理論があります。「一軒でも多く歩いた人間が勝つ」「若者や女性の支持が鍵だ」「握手は必ず両手で」など、100人いれば100通りの理論があるといえるでしょう。
実際には市長選や衆議院小選挙区のように一人しか当選しない選挙と、市議会のように何十人も当選する選挙では戦略が違って当然です。また候補者の年齢やタイプによっても売り込み方は変わってきます。それだけに選挙理論が多様なのもうなずけます。
その中でも両極に位置するのが「組織を固めることが大切」という考えと、「浮動票・無党派層こそ大切」という考えです。もちろん組織票と浮動票の両方を獲得できればそれに越したことはないのでしょうが、実際の選挙戦ではこのどちらに力を入れるかは人によって違います。
“組織固め派”の代表格といえば青木幹雄氏でしょう。農協、漁協、建設業界、医師会・・を固め、一方で系列の地方議員の後援会をフル動員して選挙戦を戦うというやり方です。
昨年の総選挙の際、麻生首相は街頭で一般国民に訴えかけるよりも先に、経団連・日本自動車工業会・日本電機工業会といった諸団体を行脚するところから選挙戦をスタートしました。その時に「まず支援団体を回るのが自分のやり方」ということを言っていたので、麻生氏も“組織固め派”なのでしょう。
民主党の小沢一郎前幹事長もこの点は同じです。与党になったことで旧来の自民党支持の各種団体に硬軟使い分けながら手を伸ばしました。
そうした分類でいえば「みんなの党」は「浮動票・無党派依存型」になるのでしょう。自慢じゃありませんが、組織やカネがないので、そうせざるを得ないという面もありますが・・。この点については次号で。
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