進化論
2010.06.04
小泉首相の所信表明演説といえば就任直後の2001年5月7日に行なった「コメ百俵」の話が有名です。幕末の長岡藩の小林虎三郎の逸話で、今の痛みに耐えて明日を良くしようという精神をうたったものでした。
私としてはこのコメ百俵のエピソードも好きですが、より印象的だったのは同年の9月27日に行なったダーウィンを引用した所信表明演説の方です。その部分を引用すると、
「私は、変化を受け入れ、新しい時代に挑戦する勇気こそ、日本の発展の原動力であると確信しています。進化論を唱えたダーウィンは、この世に生き残る生き物は最も力の強いものか、そうではない、最も頭のいいものか、そうでもない、それは変化に対応できる生き物だという考えを示したと言われています。」というくだりです。
私も当時、この言葉を「良い言葉だなあ」と思ったので、ダーウィンがどの著作でそう述べているのか出典を調べてみましたがよく分かりませんでした。
学者によると『種の起源』をはじめとする著作の中にどうやらそんな言葉はないそうですから、もしかすると明示的に述べたわけではないのかもしれません。
今の民主党・自民党の二大政党は変化に対応できているのでしょうか。そうは思えません。力があっても強くても変化に対応できなければ恐竜のように滅びてしまいます。政治でいえばいくら議席をたくさん持っていても滅びることがありえるということでしょう。
恐竜全盛の時代、哺乳類は弱小の生物でした。しかし環境に対応したことで生き延びました。今は議席数が弱小な「みんなの党」が哺乳類のようになれるかどうか参議院選で真価が問われるところです。
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