現在開会中の第190通常国会は6月1日に会期末を迎える。会期末までの日数を考えると、私自身が今国会で質疑に立つことはもう無いだろうと思われる(附帯決議など提出者としての発言の可能性はあるが)。
これまでの参議院としての6年の任期中における本会議・委員会での発言回数(質疑や討論など)を数えてみると139回に上る。これは同僚議員たちと比べてもかなり多い方になる。
もちろん国会議員の活動というのは質問の回数のみで測られるものではない。質問は量だけでなく質も大切である。この「質」に関しては面白いデータがある。「万年野党」という田原総一朗氏を会長とするNPO法人が「国会議員質問力評価」として、質疑の質を客観的に採点化して順位付けしている。対象としているのは2年前の2014年通常国会の予算委員会質疑で、そこに登場した70議員を10点満点で評価している。
ここでの高評価上位10人を掲載すると以下のようになる。
①塩崎恭久 (衆・自民党)
②柿沢未途 (衆・結いの党)
③水野賢一 (参・みんなの党)
④小池晃 (参・共産党)
⑤中西健治 (参・みんなの党)
⑥浅尾慶一郎(衆・みんなの党)
⑦佐々木憲昭(衆・共産党)
⑧岡田克也 (衆・民主党)
⑨松野頼久 (衆・維新の会)
⑩江田憲司 (衆・結いの党)
〔注:政党所属などは当時のもの〕
なお同法人の中心的人物の高橋亮平氏のブログ記事によれば、以下のようにある。
“第3位は、みんなの党幹事長の水野賢一参議院議員の2月6日の質問だ。官僚・元官僚の評価は満点の10.0点だった。政策専門家の評価も9.5点の1位だったほか、一般の評価が8.8点の2位と高得点だった。一方で、国会議員の評価だけが5.7点の43位と極めて低かったため、総合で3位となってしまった。「規制改革、電力政策、天下りにつき、政府の方針を厳しく追及」(官僚)、「政府側説明の矛盾・問題を質疑の中で的確に明らかにした」(専門)などと高く評価された。”
同僚の国会議員の評価が低いというのは不徳の致すところだろうが、全体として高評価なのはありがたいことだ。今後もしっかりとした国会活動を続けるためにも夏の参院選に向けて気力・体力を充実させないと。
みんなの党の渡辺喜美元代表が夏の参議院選の「おおさか維新の会」の候補者として正式に決まったらしい。私もみんなの党の出身だが、当時を振り返ると、みんなの党と維新との関係というのは愛憎相半ばするようなところがあった。政策面では「一卵性双生児」といわれるほど共通するところもあったし、一方、選挙では同じ第三極勢力として競合する面もあった。
私自身は維新との提携には一貫して消極派だった。政策以前の問題として、彼らの行動に予測不可能な点が多すぎるという危惧を持っていたためでもある(この予測不可能性は既成政党との違いとして維新人気を支えた面もあったのかもしれないが)。渡辺元代表御自身も提携しようとした時期もあれば、猛批判をしていた時期もあった。そうした動きを間近で見てきた私とすれば今回のことには感慨深いものもある。第三極への期待が高まっていた2012年総選挙の前に提携していたらどうなっていただろうと思わないでもない。
渡辺元代表とは今では政治的立場を異にしてしまったが(注)、極めて優れた政治家だという思いに変わりはない。また着眼点、発想力、先見性、行動力などで稀有な才能を持っている方だとは今でも思っている。おおさか維新の候補者になったという点に驚きはあるにせよ、来るべき選挙では頑張ってもらいたい。私自身も改選を迎える身ではあるが必勝を期し、同じ参議院の議場で再会できればと思っている。
(注)渡辺元代表と政治的立場を異にしてしまった時に私が書いた論文が2014年9月17日のブログ“「与党再編」か「野党再編」か”になる。この時、渡辺元代表は「与党再編」を唱え、当時みんなの党幹事長だった私は「野党再編」が必要だと唱えた。
20年以上前に「告発の行方」という映画が話題になった。ジョディ・フォスターがアカデミー主演女優賞を受賞した映画である。かく言う私も3月25日付けのブログで述べた通り、何故か市民団体なる人たちから政治資金関係の件で告発を受けた。その時のブログの繰り返しになるが、多くの政党が解党時に政党助成金(原資は税金)を国庫返還していない中、みんなの党が解党する時には多額の国庫返還したことは、褒められるならまだしも何故問題視されるのかは理解に苦しむ。
その「告発の行方」が明らかになったので、ご報告したい。千葉地検は昨日「嫌疑なし」として不起訴との決定を発表した。もともと何の問題も無いことをあたかも問題があるかのように言い立てて、勝手に告発しただけのことなので不起訴は当然のこと。こうした恣意的な告発をした側の政治的思惑が透けて見えるだけの話だとの印象を持つ。
まあいろいろな人たちがいろいろな思惑で動くのは世の常であるし、選挙を前にするとそうしたことも活発化するので、別に仕方のないことでもあるが・・・。
本日のブログ「温暖化問題を議題とした5月2日の本会議質疑のハイライト引用(その2)」では“これだけ温暖化問題が叫ばれている中で二酸化炭素よりもはるかに強力な温室効果を持っているフロンガスを生産し続けて良いのか”という問題を取り上げた。
明日は環境委員会の質疑。夏に改選を迎える私にとっては今の任期中の最後の国会質疑になるだろう。丸川珠代環境大臣はもちろんのこと、フロン製造を所管する林幹雄経済産業大臣にも裂帛の気合いで斬り込んでいくつもりだ。
〔水野賢一〕
ところで、二酸化炭素、CO2は最も代表的な温室効果ガスではありますが、温室効果ガスは二酸化炭素だけに限られるわけではありません。現に京都議定書はCO2以外にも5つのガスを対象としていましたし、今現在の国際交渉はCO2以外の6つのガスも対象としています。
中でもフロンガスは、CO2に比べて数十倍から種類によっては1万倍も強力な温室効果ガスです。かつてフロンガスはオゾン層を破壊するとして問題になりましたが、現在製造されているいわゆる代替フロンは、オゾン層は破壊しないにせよ、極めて強力な温室効果ガスであることには変わりはありません。
しかも、二酸化炭素と決定的に違うのは、CO2が元々自然界に存在するものなのに対し、フロンは人工的に製造された物質だという点です。CO2は太古の昔から大気中に存在はしています。ただ、地下深く眠っていた化石燃料を燃やすことによって大気中に放出され、その濃度が高くなっていくことが問題なわけです。これに対し、フロンというのは、自然界に存在しないものをわざわざ商品として生産しているのです。
これだけ温暖化の危機が叫ばれ、これだけ多くの人に排出削減を呼びかけている中で、極めて強力な温室効果ガスをわざわざ作って売って儲けるということが、果たして倫理的にも許されるのでしょうか。しかも、パソコンのほこり飛ばし用のスプレーのように、大気中に放出することを前提として製造している商品まであります。こうしたフロンの規制について、環境大臣の見解を伺います。
〔丸川環境大臣〕
フロンの規制についてお尋ねがありました。フロン類については、オゾン層保護と温暖化防止の観点から、フロン排出抑制法に基づき、ほこり飛ばしスプレーなどのフロン類の使用製品について、代替冷媒に転換するための規制など、その製造、使用、回収、破壊のライフサイクル全般にわたる取組を進めています。また、代替冷媒を使用した空調機器等の導入を支援をしております。今後とも、こうした措置により、フロン類の対策に万全を期してまいります。
〔質疑終了後の水野賢一の感想〕
答弁にある「フロン類の対策に万全を期してまいります」は結構なことだが、元々自然界に存在しないものをわざわざ生産しているという本質的な問題について触れてくれなかったのは残念。
夏の参議院選では私自身も改選を迎え、千葉県選挙区から民進党公認で立候補する予定である。投票日が確定しているわけではないが、7月10日が有力視されているようだ。本日からちょうど2か月後である。
私が選挙に立候補するのは7回目になる。衆院選5回(5期目は落選したが)、参院選が2回目となる。とはいえ選挙と選挙の間が6年も空くのは初めてのことだ。もちろんその間には仲間の選挙などは多くあり、応援・手伝いなどに奔走はしたが、やはり自分の選挙となると緊張感や高揚感が違ってくる。気力・体力を充実させてのぞんでいかないと。
昨日は13時から千葉市のホテルで「民進党千葉県総支部連合会 結成大会」が開催された。
3月27日に中央の党本部レベルでは民進党は結成されていたが、県レベルでも組織が発足したことになる。
野田前総理の挨拶も味わい深いものだった。
しっかりとまとまって団結しながら明日の日本を切り拓いていこうとの決意を私自身も新たにした。
〔水野賢一〕
さて、政府はよく「最近は産業分野からの二酸化炭素排出は増えていないが民生部門からの排出が急増しているから、この民生部門への対策が急務だ」という言い方をします。間違ってはいませんが、この言い方は、企業は頑張っているが一般国民の方に問題があるというニュアンスを含んでいるような気がします。
しかし、実際には、民生部門というのは、一般家庭を指すだけではなくオフィスビルなどの企業も含んでいるわけです。企業と家庭の排出比を比べると、企業が8割、家庭が2割という比率は昔から余り変わっていないのではありませんか。
今なお排出量では圧倒的に多いのが大企業ですが、この分野での排出削減に向けた決意をお聞かせください。
〔丸川環境大臣〕
企業の排出削減に向けた決意についてお尋ねがありました。我が国の二酸化炭素排出量のうち、企業・公共部門関連はおよそ八割、家計関連はおよそ二割という比率は近年大きく変化をしておりません。企業の排出削減については、低炭素社会実行計画の実施状況を政府の関係審議会等で厳格に評価、検証し、その着実な実施や目標の引上げ等を求めていきます。また、建築物省エネ法の省エネ基準への適合義務化の推進等の施策にもしっかり取り組んでまいります。
〔質疑終了後の水野賢一の感想〕
答弁漏れではないが、ちょっと素っ気ないというか、熱意があまり感じられない答弁だったような・・・。
今夏の参議院選挙から18歳選挙権が導入される。日本で初めて総選挙が実施された1890年の選挙権年齢は25歳以上だった。この時の選挙権は男性のみ、しかも高所得者に限られていたが、その後、男子普通選挙権が認められるようになっても25歳に変わりはなかった。この選挙権年齢が20歳に引き下げられたのが戦後の1946年のこと。この時から女性も投票権を持つようになった。
その選挙権年齢が今回70年ぶりに引き下げられることになる。25歳という時代が56年続いて、20歳という時代が70年続いたのだから歴史的な変化ともいえる。
私もその歴史的な選挙に出馬する予定だ。マスコミなどからは「18歳、19歳の新有権者にどのようにアピールしますか」という質問をよく受けるが、「こうすれば18歳の支持を獲得できる」などという都合のよい秘策などはないだろう。あたり前のことだが、愚直に政策などを訴えていくしかないと思っている。
京都議定書で日本は温室効果ガスの排出6%削減を国際約束した。
政府は「8.7%削減したので約束を達成した」と胸を張っているが、8.7%というのは森林吸収源などを含んでの数字なので、実際の排出量は削減どころか1.4%も増加してしまっている(条約上はこれでも約束達成と見なされる)。
それだけにもっと真剣にこの問題にも取り組まないと。