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けんいちブログ
フロンに関する附帯決議が環境委員会で採択
2016.05.19
「これだけ温暖化防止が叫ばれている中で極めて強力な温室効果ガスであるフロンをわざわざ商品として製造することは問題ではないか」という視点から5月2日の本会議質疑を行った(このことは5月11日のブログでも報告している)。
そして本日の参議院環境委員会で採択された附帯決議の中に以下のように盛り込まれた。
“五、強力な温室効果ガスであるフロン類については、回収・破壊や漏えい防止に努めるとともに、生産にも適切な規制を行っていくこと。また、人工的に合成された物質であるという点に鑑み、回収・破壊などにおいては生産者責任にも留意した政策の検討を進めること。”
私も十数年前に国会に議席を得てから重要な政策課題として環境問題に取り組んでいるが、以前はフロンガス(特にオゾン層を破壊しないHFCのような代替フロン)に関して生産者責任が問題になることはなかった。「製造してもきちんと回収・破壊をすれば問題ないのだ」という考えさえあった。確かに100%回収して大気中に放出しないのであれば問題ないのだが、実際にはそんなことは不可能なのである。使用中の漏えいも無視し得ない量に上る。さらにいえばスプレーのように最初から大気への放出を前提とした商品もある。だからこそ生産そのものに規制をしなければ根本的な対策にならないと言い続けてきた。また生産者責任についても一貫して言い続けてきた。
今回の附帯決議は私の属する民進党のみならず自民党、公明党、日本を元気にする会、無所属クラブの共同提出となり、これらの会派の賛成によって可決された。多くの政党・会派に同意してもらったことに感謝すると同時に、正しいと思うことは言い続けることの大切さをあらためて胸に刻んだ。
cf.共産党のみが附帯決議に反対だったが、推察するにこのフロンの生産者責任の部分に反対だったのではなく、他の部分に反対だったのだろうと思う。ちなみにこの附帯決議は5項目から成っており、フロンに関しては5番目の項目に触れられている。
社民党、おおさか維新、生活の党、新党改革、こころといった諸政党は議席数の関係で参議院環境委員会に委員を出していない。
予算委員会質疑のハイライト引用(天下り・その1)
2016.05.17
昨日のブログで報告した通り高評価をいただいた2014年2月6日の参議院予算委員会質疑のハイライトを議事録から引用してみる。この質疑では「天下り問題」を取り上げた。
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○水野賢一君
次の話題に移りますが、天下りの問題について伺いますが、安倍内閣になってから天下りはないんでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君)
再就職監視委員会において指摘された事案が1件あったと承知いたしております。
○水野賢一君
つまり、もう天下りあっせんは基本的に禁止しているわけですよね、禁止しているけれどもそれに違反したのが1件あったと、そういう理解でいいですか。
○国務大臣(稲田朋美君)
天下りの禁止に関しては、公務員制度改革の一環として、平成19年の第1次安倍内閣において、御党の代表である渡辺喜美大臣の下、規制をいたしました。そして、その法律に従って監視委員会が指摘した事案が1件あるということでございます。
○水野賢一君
まさに今大臣がおっしゃったように、天下りあっせんが認定されたのは1件、まあ本当に1件だけなのかという気はしますけれども、1件あったのは事実ですよね。これ、じゃ、あっせんした人、これは国土交通省の事務次官までやった人ですけれども、これ何か処分を受けたんでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君)
退職をしておりましたものですから、注意ということをし、さらに、再発を防止しなくてはいけないということで、現在の職員そしてOBのメンバーに対しても再度このことについて徹底をさせていただいたというのが昨年の3月26日の決定から私どもがやったことでございます。
○水野賢一君
今いみじくもおっしゃられたように、退職後に、事務次官辞めた後にその人のことを注意したんですよ。はっきり言って痛くもかゆくもないわけですよね。
これ、稲田大臣にお伺いしますけど、各省庁の幹部がこういう行為をしたときは、今のように痛くもかゆくもないようなことになっちゃっているんだから、現実に、刑事罰とかそういうことは検討していないんですか。
○国務大臣(稲田朋美君)
不正行為の見返りとして天下りのあっせんをしたときには刑事罰が規定をされております。それ以上に、あっせん行為そのものだけについて刑事罰を規定することについては様々な議論がありまして、刑事罰を科して犯罪とするまでのことであるか、ほかの刑事罰との整合性というか、そういったことも検討されて、現時点で刑事罰を科すということは考えておりません。
○水野賢一君
先ほど、天下りあっせんが認定されたのは1件だけという話ですけど、これ、安倍政権が発足後に早期退職勧奨というのは、まあ最近これは、やまったようですけれども、中央省庁の官僚のうちどれだけに早期退職勧奨があってどのぐらいの人が拒否したとかという数字ありますか。
○国務大臣(新藤義孝君)
安倍政権が発足した平成24年の12月26日、そして本年の2月の5日までに各府省庁、委員会の内部部局の職員に対して退職勧奨を行った人数は324人です。そして、そのうち退職勧奨を拒否したのはゼロということであります。
○水野賢一君
いや、これが、まさに天下りが、あっせんがあるだろうと疑われることのそのものじゃないですか、今おっしゃったのは。だって、3百何人に肩たたきをして、それで何にもあっせんしないで、次の就職先の面倒も見ないで肩たたきをして、それで誰も拒否しなかったなんて、そんなことは常識で考えて、それ通用すると思いますか。総理、そう思いませんか。あっせんはあるんじゃないですか、水面下で。
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〔水野賢一の感想〕
現在、国家公務員法が定めているのは「天下り」そのものの禁止ではなく「天下りあっせん」の禁止である。逆に言えば省庁のあっせんを受けずに自分で再就職先を見つけたならば、官僚時代の所管業界に再就職してもOKということになっている。
それだけに甘いのではないかという批判もあるわけだが、質疑でも明らかになった通り、現行法でも禁じられている違法な天下りあっせんも1件認定されている。しかも当事者は「注意」しか受けていない。現行法には刑事罰の規定がないからである。刑事罰はなくても行政処分を受ける可能性はあるが、上記の事案の場合には、あっせんした国土交通省幹部は発覚時には退職していたために行政処分の対象にさえなりえなかった。そこで私は「(それでは)痛くもかゆくもない」と追及したわけだが、政府側はあまり問題意識を感じてはいないようだ。
天下りの問題に関しては、福島第一原発事故の2か月前にも資源エネルギー庁長官だった人が東京電力顧問に天下っていた。これも国会では追及したが、それは次回の「ハイライト引用(天下り・その2)」でご報告。
国会質問とその質
2016.05.16
現在開会中の第190通常国会は6月1日に会期末を迎える。会期末までの日数を考えると、私自身が今国会で質疑に立つことはもう無いだろうと思われる(附帯決議など提出者としての発言の可能性はあるが)。
これまでの参議院としての6年の任期中における本会議・委員会での発言回数(質疑や討論など)を数えてみると139回に上る。これは同僚議員たちと比べてもかなり多い方になる。
もちろん国会議員の活動というのは質問の回数のみで測られるものではない。質問は量だけでなく質も大切である。この「質」に関しては面白いデータがある。「万年野党」という田原総一朗氏を会長とするNPO法人が「国会議員質問力評価」として、質疑の質を客観的に採点化して順位付けしている。対象としているのは2年前の2014年通常国会の予算委員会質疑で、そこに登場した70議員を10点満点で評価している。
ここでの高評価上位10人を掲載すると以下のようになる。
①塩崎恭久 (衆・自民党)
②柿沢未途 (衆・結いの党)
③水野賢一 (参・みんなの党)
④小池晃 (参・共産党)
⑤中西健治 (参・みんなの党)
⑥浅尾慶一郎(衆・みんなの党)
⑦佐々木憲昭(衆・共産党)
⑧岡田克也 (衆・民主党)
⑨松野頼久 (衆・維新の会)
⑩江田憲司 (衆・結いの党)
〔注:政党所属などは当時のもの〕
なお同法人の中心的人物の高橋亮平氏のブログ記事によれば、以下のようにある。
“第3位は、みんなの党幹事長の水野賢一参議院議員の2月6日の質問だ。官僚・元官僚の評価は満点の10.0点だった。政策専門家の評価も9.5点の1位だったほか、一般の評価が8.8点の2位と高得点だった。一方で、国会議員の評価だけが5.7点の43位と極めて低かったため、総合で3位となってしまった。「規制改革、電力政策、天下りにつき、政府の方針を厳しく追及」(官僚)、「政府側説明の矛盾・問題を質疑の中で的確に明らかにした」(専門)などと高く評価された。”
同僚の国会議員の評価が低いというのは不徳の致すところだろうが、全体として高評価なのはありがたいことだ。今後もしっかりとした国会活動を続けるためにも夏の参院選に向けて気力・体力を充実させないと。
渡辺喜美元代表のおおさか維新入り
2016.05.14
みんなの党の渡辺喜美元代表が夏の参議院選の「おおさか維新の会」の候補者として正式に決まったらしい。私もみんなの党の出身だが、当時を振り返ると、みんなの党と維新との関係というのは愛憎相半ばするようなところがあった。政策面では「一卵性双生児」といわれるほど共通するところもあったし、一方、選挙では同じ第三極勢力として競合する面もあった。
私自身は維新との提携には一貫して消極派だった。政策以前の問題として、彼らの行動に予測不可能な点が多すぎるという危惧を持っていたためでもある(この予測不可能性は既成政党との違いとして維新人気を支えた面もあったのかもしれないが)。渡辺元代表御自身も提携しようとした時期もあれば、猛批判をしていた時期もあった。そうした動きを間近で見てきた私とすれば今回のことには感慨深いものもある。第三極への期待が高まっていた2012年総選挙の前に提携していたらどうなっていただろうと思わないでもない。
渡辺元代表とは今では政治的立場を異にしてしまったが(注)、極めて優れた政治家だという思いに変わりはない。また着眼点、発想力、先見性、行動力などで稀有な才能を持っている方だとは今でも思っている。おおさか維新の候補者になったという点に驚きはあるにせよ、来るべき選挙では頑張ってもらいたい。私自身も改選を迎える身ではあるが必勝を期し、同じ参議院の議場で再会できればと思っている。
(注)渡辺元代表と政治的立場を異にしてしまった時に私が書いた論文が2014年9月17日のブログ“「与党再編」か「野党再編」か”になる。この時、渡辺元代表は「与党再編」を唱え、当時みんなの党幹事長だった私は「野党再編」が必要だと唱えた。
「告発の行方」
2016.05.13
20年以上前に「告発の行方」という映画が話題になった。ジョディ・フォスターがアカデミー主演女優賞を受賞した映画である。かく言う私も3月25日付けのブログで述べた通り、何故か市民団体なる人たちから政治資金関係の件で告発を受けた。その時のブログの繰り返しになるが、多くの政党が解党時に政党助成金(原資は税金)を国庫返還していない中、みんなの党が解党する時には多額の国庫返還したことは、褒められるならまだしも何故問題視されるのかは理解に苦しむ。
その「告発の行方」が明らかになったので、ご報告したい。千葉地検は昨日「嫌疑なし」として不起訴との決定を発表した。もともと何の問題も無いことをあたかも問題があるかのように言い立てて、勝手に告発しただけのことなので不起訴は当然のこと。こうした恣意的な告発をした側の政治的思惑が透けて見えるだけの話だとの印象を持つ。
まあいろいろな人たちがいろいろな思惑で動くのは世の常であるし、選挙を前にするとそうしたことも活発化するので、別に仕方のないことでもあるが・・・。
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