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けんいちブログ
安保法制の大欠陥を今日、委員会で追及へ
2015.07.29
本日14時40分頃から特別委員会で安倍総理らに安保法制の質疑をする。今までの審議で議論されていない点もいくつか取り上げる。
法案が成立すればPKOや邦人救出などで自衛隊の海外活動の幅が広がることになる。そして、その時の武器使用権限についても定めている。ところが驚くなかれ、自衛隊がこれに違反して武器を使用しても罰則は何もないのだ。これでは政府がいくら「武器の使用は正当防衛や緊急避難だけです」とか説明しても何の意味もない。なぜならば違反した時の罰則がないのだから。
もう少し専門的な言い方をすれば、今回の法改正で自衛隊法にも一応、国外犯処罰規定が盛り込まれる。しかしなぜか武器の不当使用にはこの国外犯処罰規定が適用されないことになっている。
極論すれば海外の自衛隊が勝手に発砲しようが、命令以外の武器を使用しようが、罰則は何もない。こんな大穴を残したまま自衛隊の海外派遣を拡大していく法案などには絶対反対だ。
質疑では厳しく追及していく。
一票の格差をめぐる小手先の改革
2015.07.24
参議院の選挙制度のいわゆる「10増10減」案が本日の本会議で自民党や中小4野党の賛成多数によって可決された。国民は皆、法の下に平等である以上、あくまでも「一人一票」の大原則を目指すべきであり、この程度の改革案は小手先の弥縫策にすぎないと私は思っている。自民党はこれにより一票の格差は2倍台にまで改善されたと主張するが、正しくは2.97倍であり、しかも来年の選挙時には3倍超えは確実視されているのだから、それを「2倍台」と主張するのは強弁以外の何物でもない。
だからこそ私たち無所属クラブは民主党、公明党、生活の党と共同して、より抜本的な改革案を国会に提出していたのだが、残念ながらこちらは採決に至らなかった(自民党などの案が先に採決され可決されたため、一事不再議の原則によって他の改革案は採決されなかった。もし自民党などの案が否決されていれば、次は私たちの案が採決されることになっていた)。
さすがに自民党なども約3倍の格差を正当化するのは難しいと思っているらしく、このように言っている。「参院選がもう来年に迫っているので、今回はとりあえず2倍台にまで格差を抑えて(といっても選挙時には3倍を超える見込みなのだが)、その次の2019年参院選からは抜本改革して臨もう」という主張だ。一見もっともらしいが、このような「次回はちゃんとやるから今回はとりあえずの手直しだけで止める」という約束などは守られた例がない。
現に3年前にも「とりあえず今回は4増4減だけやりましょう。次の2016年の選挙からは抜本改革をしましょう」という約束を各党間で交わしているのだ。しかもそれは口約束ではなく法律の附則にまで盛り込んだのである。それでこの結果なのだから「2019年からは」などという約束が守られる保証などどこにもない。
それだけに今回一気に抜本改革を進めるべきだったのだが・・。残念なことである。こうした小手先だけの弥縫案が可決されてしまった本日の本会議で、あらためて一強多弱の政治状況を打破しなくてはと思った。
台湾は集団的自衛権の対象になるのか~政府の答弁書について~
2015.07.22
国会の審議というのは本会議や委員会での論戦だけではない。文書によって政府に対し質問する質問主意書という制度もある。私は7月10日に集団的自衛権に関して質問主意書を提出した。政府提出法案では“我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生”して武力行使の新3要件が満たされれば集団的自衛権の行使も可能としている。しかし「密接な関係にある他国」とはどの国かは具体的に明示していない。政府によれば、米国に限っているわけではないとも説明している。そこで私は質問主意書を使って、密接な関係にある「他国」というのは国交を結んでいる国に限られるのかという質問をした。より具体的に言えば、国交こそ無いが密接な関係にある台湾などは含まれるのかという趣旨の質問である。
この質問主意書への政府の答弁書が昨日来た。これによると「我が国が外交関係を有していない国も含まれ得る」としている。そのことが下記の記事になっている。
時事通信社 「国交なくても自衛権行使=政府答弁書」
ところでこの政府の答弁書だが、本質的なところで回答を逃げている。つまり台湾はどうなのだという私の質問には直接答えていない。答弁書は“我が国が外交関係を有していない国も含まれ得るが”の後に次のように続けている。“お尋ねの「国とみなされている地域」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。”
私の質問は文書で明確に“国交はないが実態として国とみなされている地域(例えば台湾やパレスチナ自治政府)を含むのか”と台湾などを具体的に例示しながら聞いているのだから、意味するところは明らかなのである。それを“意味するところが必ずしも明らかではない”などというのは逃げ口上以外の何物でもない。対中関係も微妙な中で、余計なことは答えたくないという気持ちは分かるが、重要な問題を曖昧にしたまま言を左右にすることは許されない。
安全保障法制については議論が尽くされていない点が他にもたくさんある。来週にも始まると見込まれる参議院での質疑で政府提出法案の問題点や弱点を厳しく追及していきたい。
安保法案の参院論戦を前にして
2015.07.17
昨日、安保関連法案が衆議院を通過した。政府案では改正する法律は自衛隊法や周辺事態法など10本に上っている(他に1本の新法制定がある)。では10本の改正にそれぞれ賛成・反対を投じるために10回採決をしたのかというと、実は採決は1回で終わっている(他に維新の党の対案の採決はあったが)。なぜかというと1本の法案によって10本の法律をまとめて改正する“束ね法案”という形を取っているからだ。
これだと「A法、C法、D法、F法の改正は絶対反対、一方でB法とE法の改正には賛成できる、G法の改正は判断材料が不足しているので棄権したい」というような投票行動ができなくなる。束ねられている以上、A法からJ法まで一括して賛成か反対か棄権の選択肢しかないことになる。丁寧な議論が必要な安全保障の問題で、こうした乱暴なやり方をしてはいけない。
報道を見ていると「衆議院で116時間も審議した割には議論が深まっていない」という論調が多いが、その背景にはこのような政府の法案の提出の仕方もあると思う。これだとどうしても細部にわたった丁寧な議論がしにくくなる。その結果、違憲か合憲かといった入り口の議論に終始してしまった感がある。だが実際には10本もの法律を改正するのだから、詳細に内容を見るとPKOの話、在外邦人の保護、米軍以外への支援など様々な内容が盛り込まれている。中にはほとんど議論が煮詰まっていないものも多い。それだけに今後、始まると見込まれる参議院での審議では、私自身もできる限り細部にも気を配った質疑・追及をしていきたいと思っている(別にあら探しをするつもりはないが、見過ごされてきた論点が将来、大問題となる可能性は十分あるので)。
なお私としては今回の法案の中には、理解できる部分もあれば、あくまでも反対だという部分もある。もちろん審議の中で政府答弁を聞きながら考えていきたいという部分もある。評価できる部分を挙げれば、例えば私が以前から予算委員会などで指摘し、ブログにも書いた「海外で犯罪を犯した自衛隊員にはなぜ自衛隊法の罰則が適用されないのか」という問題に改善が見られている点である。改正案では自衛隊法にも国外犯処罰規定が新設している(それでも罰則が軽すぎるという問題はあるのだが)。
しかし前述した通り、“束ね法案”である以上、残念ながら“ここは賛成だが、ここは反対”という意思表示はできなくなっている。総体として、賛成か反対かを意思表示せざるをえない。そうである以上、採決時には反対票を投じるということも決めている。来たるべき参議院審議の中では、その理由や根拠なども示しながら、問題点を具体的に指摘して論戦を行っていきたい。
千葉市の指定廃棄物処分場:何のための調査なのか?
2015.07.09
千葉市中央区の東京電力用地に国が指定廃棄物(8千ベクレル超)の埋設場所を建設しようとしている問題。本日、参議院環境委員会で「今からこの土地について詳細調査をするのであれば、調査の結果、この場所は適地ではないという結果が出ることもありえるのか」と質問。環境省の担当部長は「詳細調査で地質や地盤構造をしっかりと把握して必要ならば地盤改良や杭打ちなどの対策を講じる」という趣旨の答弁。つまり調査の結果がどうあれ、ここに建設するということではないか。
本来、詳細調査というのは外見だけでは分からない地質構造をボーリングなどでしっかりと見極めるということではないのか。だからこそ普通は候補地を複数選定して、その上で詳細調査をして、最善・最適の場所に絞り込んでいくというやり方が筋だと思う。
ところが国のやり方は最初から適地の候補を1か所(それが千葉市中央区の東電敷地なのだが)だけ提示して、調査の結果、不具合があれば地盤改良や杭打ちなどで対応するから場所を変更する必要はないというものだ。処分場の場所は調査前に決定してあるというのでは、何のための調査だと言いたくなる。
これが正しい進め方なのだろうか?以前から書いているように、安全第一で検討したら偶々ここが選ばれたというのではなく、東電用地という「結論先にありき」の場所選定ではなかったのか?疑念は尽きない。
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