
本日は参議院環境委員会が開かれる。冒頭、委員長や大臣ら全員で熊本地震の犠牲者に黙祷を捧げる。その後、PCB処理特措法改正案についての質疑が行われ、私も質疑に立った。
PCBは40年以上前に製造が禁止されたが、使い終わっても処分できないために廃棄物として溜まり続けてきた(廃棄物だけではなく、今も使用中のPCB入りトランスなどもあるが)。
これらのPCBは廃棄物であれ使用中のものであれ、一定期間内に処分することになっている。これは国際条約でも決まっており、国内でもPCB処理特措法で義務化されている。
さてPCBは元々は自然界には存在しない。商品として人為的に生産された化学物質である。そうである以上、製造者責任があるはずである。ところがこの点はこれまであまり指摘されてこなかった。そのため製造者(国内では具体的には2社ある)が処分費用の支払いなどはしていない。
PCB処理のためには国や地方の税金も投入されている。迅速な処理のためにその必要性は理解するが、一方ではなんでも税金で解決しようとするだけでなく、製造者に一定の責任を果たしてもらうという観点も重要だと思う。
今年は私にとっても夏に参議院議員としての改選期を迎えるので、そちらの準備も進めなければならないが、国会開会中なので国会での活動もしっかりと行っていきたい。

本日、国会議員150人余りが参加する野党第一党「民進党」が結成された。私も2年前のみんなの党の解党後は特定の政党には属さず、無所属で活動してきたが、新たに結成された民進党に入党した。そこで本日は都内で開催された民進党の結党大会に参加してきた。
「民進党」という名称から想起するのはどうしても台湾の「民主進歩党(略称は民進党)」のことになる。台湾の民進党は国民党の一党支配体制を打破し、健全な民主主義を同国に根付かせた。なにしろ台湾の国民党政権は世界最長とされる38年間もの戒厳令を敷き続けた政権だった。つまり今の自民党の一強体制などを遙かに凌ぐ強権独裁体制だったわけだ。それだけにそれに挑んだ人たちも命を懸けて闘ったはずである(台湾の民進党は最初は非合法政党だった)。
私はその点で民進党という名称は良い名称だと思っている。そしてせっかくその名称をつけた以上、志の高さにおいても隣国の民主進歩党の創設者たちに引けを取らないような政党にすべく微力を尽くしたいと考えている。

市民団体なる人たちから告発を受けたらしい。2年前のみんなの党解党時の資金の流れの話のようだ。まったく理解に苦しむところだが、その時のことを思い出した。
あの時、党所属国会議員のごく一部からではあるが「10億円以上の党資産を現職国会議員で山分けしよう」という声も上がった。しかし浅尾慶一郎代表が「みんなの党は行財政改革を最も強く主張してきた政党だ。そうである以上、政党助成金(原資は税金)として貰ったものは余れば国庫に返還しよう」と決断し、幹事長だった私も強くそれを支持した。これまで多くの政党が生まれては消えてきたが解党時にこうした国庫返還をしたのはみんなの党が初めてである。「税金の無駄遣いを許すな」という日頃の主張に沿った行動だったと思っているので別に褒めてくれと言うつもりはないが、なぜ問題視されるのかは理解に苦しむ。
まして解党後の私は無所属で活動してきたので、ほとんどの国会議員が受け取っている政党助成金の受け取りもしていない(政党助成金はその名の通り政党に交付されるので無所属には配分されない)。
まあ政治の世界も様々な思惑が交錯するところだからいろいろな意図もあるのかもしれないが…

現在発売中の週刊誌AERA(3月21日号)に原発の安全審査体制に関して「185人が古巣に 人事分離に抜け穴」という記事が出ている。
東電福島第一原発事故の後、原子力の安全審査体制を強化するために原子力規制庁という組織が新設された。ここの職員には“ノーリターンルール”が適用されることになっている。規制庁で働いている人が明日には原発推進の経済産業省の職員になってしまうようでは「本当に規制の眼を光らせていたのか」と疑いを投げかけられても仕方がない。そこで規制庁で働く人は経済産業省などには復職できないという制度になっている。
ところがその“ノーリターンルール”には抜け穴がある。AERAの記事はそれを取り上げている。私自身もこの抜け穴については国会で何度も追及してきた。この問題についてはAERAからの取材も受け、記事でも私の発言が引用されている。御一読いただければ幸いである。

東日本大震災から5年が経った。あの日、あの時間、私は永田町の議員会館の5階の自室で客と話をしていたが、今までに経験したこともないほどの激しい揺れに見舞われた。震源地から離れた東京でさえそうだったのだから震度7の激震に見舞われた人たちの恐怖はいかばかりだっただろうか。その後の津波の恐ろしさは言うまでもない。
あらためて犠牲となられた方々のご冥福をお祈りすると共に、被害にあわれた方々に心からのお見舞いを申し上げたい。

自民党の茂木敏充選挙対策委員長が私のことを念頭におきながら無所属議員を「難民」と揶揄したと報じられている。政治の世界で反対派を批判したり揶揄することは日常茶飯事のことなので、私自身はいちいちこの発言に抗議をしたり、謝罪を求めるつもりもない(世界的に難民問題が深刻になっている中、与党幹部の発言としてはちょっと軽率な気もするが・・)。
いずれにしても政府・与党に斬り込む時は、言葉尻をとらえるよりもきちんとした政策論争でのぞみたい。そのためにも明後日の環境委員会の質疑の準備をきちんとしないと。

米国大統領選の共和党指名争いで当初はキワモノ候補と見られていたトランプ氏が先頭を走っている。民主党側も大本命だったヒラリー・クリントン氏が意外に苦戦し、サンダース氏に肉迫されている。いずれの党でも主流派・中庸派とされる人ではなく極論を掲げる人が旋風を巻き起こしているようだ。
確かに極端な言説の方が世間の耳目を集めるのは事実だ。問題を単純化したり、悪玉(例えばトランプ氏にとっての移民やサンダース氏にとってのウォール街)を見つけだして一刀両断する言い方をした方が分かりやすく、大衆の共感を得られる面もある。
問題を単純化して、誰かを成敗すればそれですべての問題が解決するかのような幻想をふりまく人は米国に限らず、どこにでもいるし、日本にもいる。今後、そうした人たちがある種の人気を集めることもあると思う。民主主義はポピュリズムと表裏一体の面もあるからである。
しかし現実の世界はそこまで単純に善と悪に二分されているわけでもないし、多くの場合、問題を即時に解決する妙案があるわけではない。より良い世の中を作るためにはもっと粘り強く、もっと地道な努力が必要だと思う。
政治に取り組む者として、いま自戒を込めつつ思うのは、派手なパフォーマンス(それをすべて否定するわけではないが)に頼るのではなく、一つ一つの課題や政策について辛抱強く研鑽を重ね、丁寧に国民の理解を得ていく努力を積み重ねなければいけないということである。

昨日は衆参両院の本会議で北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議が採択された。参議院では賛成229、反対ゼロでの可決だった。決議文は米韓中露などと連携して対応することを求めると共に、我が国独自の北朝鮮制裁の徹底・強化も求めている。
感慨深く思い出すのが12年前に北朝鮮経済制裁法(具体的には外為法改正と特定船舶入港禁止法)を成立させたことである。いずれも私自身が議員立法の提出者となり、その必要性や意義について国会答弁をした。いずれの法律も自民党・民主党・公明党などが賛成し、共産党などが反対した。
当時は小泉内閣だったが政府は対北朝鮮外交について「対話と圧力」という言い方をしていた。しかし実際には圧力をかける方法がなかった。経済制裁の根拠法がなかった(もしくは不十分だった)からである。“アメ”と“ムチ”という表現を使うならば、ムチの使用は封じられており、せいぜい可能だったのはアメを与えることを中止するというくらいのことだった(例えばコメ支援の凍結)。
そこで「法律が不十分ならば新法を作れば良いではないか」「政府がやろうとしないのであれば議員立法という手があるではないか」ということで議員立法に奔走したことは懐かしい思い出だ。この法律が成立したことで必要があれば万景峰号などの船舶の入港を禁止したり、日本独自の判断で送金や貿易に制限を加えることが可能となった。
もちろん対北朝鮮外交において制裁や圧力は自己目的ではない。一番の理想形は対話によって拉致・核・ミサイルといった諸問題が解決することである。北朝鮮が無謀な瀬戸際政策を放棄することを期待すると共に、政府側にも粘り強い外交努力を求めていきたい。
注)写真は、当時、横田夫妻の前で経済制裁法について説明しているところ。(12年前はオールバックの髪型でした。)

先週金曜日には参議院予算委員会が安倍総理と全閣僚が出席して開会され、私も1時間余り質疑に立った。その中で印象に残ったことをいくつか雑感のように書いておく。
(2016年1月15日(金)の予算委員会インターネット審議中継はこちら→http://goo.gl/eHnl8d)
①国会を召集しなかった問題について
まず昨秋に野党が「衆参いずれかの院の4分の1以上の議員が要求したら臨時国会を召集しなければならない」という憲法53条の規定に基づいて国会召集要求をしたにもかかわらず、政府・与党に無視・黙殺をされた問題について質問した。
政府側は「憲法には“召集しなければならない”と書いてはあるが“何日以内に”という期限は書いてない。だからすぐに召集しなくても憲法違反ではない」という論法。屁理屈のような論法だが、そこで「何日以内に召集するのが適当なのか」と聞くと「合理的な期間の範囲内」だと言う。まあ確かに要求があったら翌日に召集というわけにもいなかいだろうから、一定の日数が掛かるのは仕方ないかもしれない(だから自民党自身の憲法改正草案では20日以内にすべきだとしている)。
そこで今回のように野党の国会召集要求から実際の国会召集までが75日もかかった場合でも「合理的な期間の範囲内」といえるのですかと質問をすると、安倍総理は「そういうことでございます」と答弁・・・これには啞然。
②消費税の軽減税率問題について(その1)
消費税の軽減税率の導入によって税収が減少する分をどのように補うかという私の質問に対して麻生財務大臣が、標準税率を10%よりも高くすることでまかなうことも「論理上は十分にあり得る」と答弁した(同時に「今の段階ではそれを考えているわけではない」とも答弁しているが)。
軽減税率による減収を標準税率の増税によって補うのでは何のための軽減税率かという気がする。軽減税率問題はまだまだ議論が不十分だと思う。
③消費税の軽減税率問題について(その2)
消費税には逆進性があるので何らかの低所得者対策が必要というのは分かるが、なぜそれが軽減税率なのかは疑問がある。給付付き税額控除などの方が合理的ではないのか。仮に軽減税率を良しとしても対象品目が適切なのかという問題も残る。政府・与党側は①外食を除く食料品、②新聞を対象品目としている。特になぜ新聞が入ってくるのかはよく分からない。
質問でも「なぜ新聞なのか」「同じ新聞をキオスクで購入すると標準税率なのに週2回以上宅配の場合だとなぜ軽減税率の対象なのか」「競馬新聞や株式新聞も対象か」といったことを取り上げたが、生煮えの答弁だった印象がある。
④原発問題について
原発問題では経済産業大臣の答弁をめぐって審議が7回も中断した。普通の産業廃棄物の場合のルールは廃棄物処理法によって定められているが、処分場を持っていない場合には処分業を営むことができない。原発も稼働すれば無事故で安全に操業したとしても必ず高レベル放射性廃棄物が出るわけだが、こちらは処分先がまったく決まっていなくても再稼働が可能になっている。いわば「いま処分場を探していますから」と言えば操業可能になるわけである。
そこで「なぜそうなっているのか」と質問をするが、大臣からは「処分場を確保することが大切」といった答弁。「処分場の確保が大切」なことには異論はないが、これでは質問に対しては的外れの答弁としか言い様がない。この問題はいわゆる「トイレ無きマンション」論であり、原発問題の最も本質的な問題でもある。再稼働の是非についてはいろいろな意見があるにしても、この「そもそも論」に対する担当閣僚答弁としてはちょっと心もとない気がした。

明日(15日・金曜日)は私・水野賢一が参議院予算委員会で安倍総理や各大臣に質疑をします。具体的な質疑テーマは以下のようなものになります。
・臨時国会を召集しなかった件について
・補正予算について(3万円の臨時福祉給付金を中心に)
・消費税の複数税率(軽減税率)について
・原発関連について
・外交安全保障について
・天下りについて
・国会議員の「身を切る改革」について
予算委員会は朝9時から開始ですが、最初の質疑者は同じ千葉県選出の長浜博行先生で10時27分くらいまでの見込みです。そして10時27分から11時42分くらいが私の出番になります。
(片道方式という質疑方式なので何時くらいから何時くらいと大雑把なことしか言えなくて恐縮です。片道方式については2015年9月14日の「けんいちブログ」をご参照ください→http://goo.gl/JX9GoG)
NHKのテレビ・ラジオ中継も予定されています。
私にとっては国会内で民主党の会派入りをしてから初めての質疑になります。予算委員会での対総理質疑(しかも1時間以上の長時間)という重要な役割を与えてくれた執行部の方々の御厚意に感謝すると共に、内外の重要問題について厳しく鋭く切り込んでいきたいと思っています。